すべてが猫になる

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すべての罪は沼地に眠る/A Flicker in the Dark  (ねこ3.7匹)

ステイシー・ウィリンガム著。大谷瑠璃子訳。ハヤカワ文庫。

クロエにとって夏の湿地は最高の遊び場だった。しかし、12歳の夏に一変する。 湿地で少女六人を殺したとして父が逮捕されたのだ。遺体は見つからなかったものの、父は有罪判決を受けた。 それから二十年、連続殺人犯の娘として生きるクロエは様々な心の傷に苦しみながらも臨床心理士として成功し、結婚を控えていた。 そんな折、またしても彼女の周りで少女を狙った連続殺人事件が起こる。 父と同じ手口を使った犯人の目的は?(裏表紙引用)
 
初読み作家さん。デビュー作だそう。
訳はスラスラと読みやすいし、父親が連続殺人犯の臨床心理士っていう設定もなかなか。クロエ自身が薬を服用していて不安定な状態なので、ずっと信頼できない雰囲気が漂っているのがうまいかな。容疑者も3人いるので1人1人を丁寧に潰していく感じ。まあ、丁寧すぎてこんだけの大長編になっちゃったのかなという印象。そういう意味では特に新しいことはやっていないし、意外性もそんなにない。何度もひっくり返したり最後にまた意外な真相を明かしてみたりする最近よくあるやつ。サスペンス的には緊迫感があっていいかも。ヒロインが危なっかしい感じだから成立するやつだけど。う~ん、めっちゃ長かったわりにそれぐらいしか書くことはないな。面白いことは面白いのだけど、次作を読むかは微妙。