すべてが猫になる

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聖女と悪女  (ねこ3.8匹)

真梨幸子著。小学館

葉山の別荘で結婚パーティーの最中、カリスマブロガーの月村珠里亜が倒れ、昏睡状態に。心理カウンセラーの麻乃紀和は、死んだ息子を陥れた珠里亜に復讐を果たすべく、彼女の身辺を調べ始める。 そんな折、四谷の超高級マンションで発見された8体の惨殺死体。珠里亜の過去を追う紀和が辿り着いたのは、2002年に六本木のマンションで8人の子供たちが監禁された”モンキャット事件”だった。事件の鍵を握る人物として浮上したのは、”オザワ”という名の謎の女で―― 取材する記者は皆”消される”というモンキャット事件の真相とは!? マルキ・ド・サドの禁書『美徳の不幸』にオマージュを捧げ、現代に蘇らせた超絶イヤミス!!(紹介文引用)
 
う~ん、真梨さん相変わらずのイヤミスぶり。
強姦の冤罪をでっち上げた有名ブロガー珠里亜が脳梗塞で倒れ覚醒剤で逮捕、珠里亜に冤罪をかけられた検察官の母親紀和が心理カウンセラーとして珠里亜の身辺をうろつき、四谷のマンションで8体の女性の切断遺体が発見され管理人は自殺し、、などなど多方面で色々不穏な事件が起こりつつ、様々な登場人物がめくるめく思惑で動いてややこしいな~~ってところに、過去に起きた「児童8人監禁事件」と児童養護施設に関わる夫婦や占い師などなどが絡み、さらに番組制作に関わるマスコミ関係者が死んだり任性を狂わされたり。。。
 
今回も、よくもまあこんな性格の歪んだ人々を書き出せるな~と感心。どの人間も好感度なんかないし、何かを企んでいそうな雰囲気。それが若い女性だろうと子どもだろうと、真梨さんにかかれば容赦ない感じ。女性のいやらしさを描いた部分は絶対嫉妬やマウントが絡んでいるから全く理解できない世界ではないけれど、男性のそれは本当に理解できないものが多いな。嗜虐趣味というかストレス発散にしてもというか、そこまで行くと人間じゃないなってレベルのものが多い気がする。