すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2016-01-01から1年間の記事一覧

ルーフォック・オルメスの冒険/Les Aventures de Loufock=Holmes (ねこ3.6匹)

カミ著。高野優訳。創元推理文庫。 名探偵ルーフォック・オルメス氏。オルメスとはホームズのフランス風の読み方。シャーロックならぬルーフォックは「ちょっといかれた」を意味する。首つり自殺をして死体がぶらさがっているのに、別の場所で生きている男の…

ST 化合 エピソード0 警視庁科学特捜班  (ねこ3.8匹)

今野敏著。講談社文庫。 現場は検察の暴走を止められるのか?エリート検事は殺人事件を異例の陣頭指揮と鑑識結果の強引な解釈で早期解決を強行する。疑念を抱く捜査一課の若手・菊川と所轄のベテラン・滝下は独断で動き始める。拘束された被疑者が“落ちる”ま…

豆腐小僧双六道中ふりだし  (ねこ3.8匹)

京極夏彦著。角川文庫。 江戸郊外のとある廃屋に、いつのまにやら棲みついていた1匹の妖怪、豆腐小僧。豆腐を載せた盆を持ち、ただ立ちつくすだけの妖怪である自分は、豆腐を落としたとき、ただの小僧になるのか、はたまた消えてしまうのか―。思い悩んだ小僧…

ポーカー・レッスン/More Twisted (ねこ4.2匹)

ジェフリー・ディーヴァー著。池田真紀子訳。文春文庫。 名探偵リンカーン・ライムに持ち込まれたプロの殺し屋による殺人。だが現場には犯人の痕跡が何もなかった。「犯人は犯罪の現場に必ず微細な証拠を残す」という原理を裏切る難事件を描く「ロカールの原…

聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた(ねこ4匹)

井上真偽著。講談社ノベルス。 聖女伝説が伝わる地方で結婚式中に発生した、毒殺事件。 それは、同じ盃を回し飲みした八人のうち三人(+犬)だけが殺害されるという不可解なものだった。参列した中国人美女のフーリンと、才気煥発な少年探偵・八ツ星は事件の捜…

推理は一日二時間まで  (ねこ3匹)

霧舎巧著。光文社。 ヘンな大人が集まるヘンな建物には、ヘンな事件がよく似合う。 ゴスロリ誘拐事件、燃える雪うさぎの謎、人気アイドルの失踪……。個室レンタルスペース「秘密基地」で巻き起こる数々の怪しいトラブル。すべての鍵を握る人物とは! ? ラスト…

スタフ  (ねこ3.8匹)

道尾秀介著。文藝春秋。 街をワゴンで駆けながら、料理を売って生計をたてる女性、夏都。彼女はある誘拐事件をきっかけに、中学生アイドルのカグヤに力を貸すことに。カグヤの姉である有名女優のスキャンダルを封じるため、ある女性の携帯電話からメールを消…

はるひのの、はる  (ねこ4匹)

加納朋子著。幻冬舎文庫。 大きくなったユウスケの前に、「はるひ」という名の女の子が現れる。初対面のはずなのに、なぜか妙に親しげだ。その後も「肝試しがしたい」「殺人の相談にのって」と無理難題を押し付ける。だが、ただの気まぐれに思えた彼女の頼み…

黒冷水  (ねこ3.7匹)

羽田圭介著。河出文庫。 兄の部屋を偏執的にアサる弟と、罠を仕掛けて執拗に報復する兄。兄弟の果てしない憎しみは、どこから生まれ、どこまでエスカレートしていくのか?出口を失い暴走する憎悪の「黒冷水」を、スピード感溢れる文体で描ききり、選考委員を…

仮面病棟  (ねこ2.5匹)

知念実季人著。実業之日本社文庫。 療養型病院に強盗犯が籠城し、自らが撃った女の治療を要求した。事件に巻き込まれた外科医・速水秀悟は女を治療し、脱出を試みるうち、病院に隠された秘密を知る―。閉ざされた病院でくり広げられる究極の心理戦。そして迎…

居心地の悪い部屋/The Uncomfortable Room (ねこ3.8匹)

岸本佐知子編訳。河出文庫。 まぶたを縫い合わせた時点で手順を忘れた二人を描くB・エヴンソン「ヘベはジャリを殺す」。二の腕の紋章のようなものの記憶をめぐるA・カヴァン「あざ」。その他、J・C・オーツ、K・カルファスなど短篇の名手たちによる12の物語…

5人のジュンコ  (ねこ3.7匹)

真梨幸子著。徳間文庫。 あの女さえ、いなければ――。篠田淳子は中学時代の同級生、佐竹純子が伊豆連続不審死事件の容疑者となっていることをニュースで知る。同じ「ジュンコ」という名前の彼女は、淳子の人生を、そして淳子の家族を崩壊させた張本人だった。…

BⅠSビブリオバトル部1 翼を持つ少女  (ねこ4.2匹)

山本弘著。創元SF文庫。 ビブリオバトルとは、本を通して人をつなぎ、人と知識をつなぐ知的ゲーム。SF小説が好きな15歳の少女・伏木空は、SFに理解のない同級生・埋火武人の誘いでビブリオバトル部に入部する。メンバーはそれぞれ得意分野を持つ個性派揃い…

絶望名人カフカの人生論  (ねこ3.8匹)

フランツ・カフカ著。頭木弘樹編訳。新潮文庫。 「いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです」これは20世紀最大の文豪、カフカの言葉。日記やノート、手紙にはこんな自虐や愚痴が満載。彼のネガティブな、本音の言葉を集めたのがこの本です。悲惨…

金色機械  (ねこ3.7匹)

恒川光太郎著。文春文庫。 時は江戸。ある大遊廓の創業者・熊悟朗は、人が抱く殺意の有無を見抜くことができた。ある日熊悟朗は手で触れるだけで生物を殺せるという女性・遙香と出会う。謎の存在「金色様」に導かれてやってきたという遙香が熊悟朗に願ったこ…

オーブランの少女  (ねこ4匹)

深緑野分著。創元推理文庫。 美しい庭園オーブランの管理人姉妹が相次いで死んだ。姉は謎の老婆に殺され、妹は首を吊ってその後を追った。妹の遺した日記に綴られていたのは、オーブランが秘める恐るべき過去だった―楽園崩壊にまつわる驚愕の真相を描いた第…

リンカーン弁護士/The Lincoln Lawyer (ねこ4.2匹)

マイクル・コナリー著。古沢嘉通訳。講談社文庫。 高級車の後部座席を事務所代わりにロサンジェルスを駆け巡り、細かく報酬を稼ぐ刑事弁護士ミッキー・ハラー。収入は苦しく誇れる地位もない。そんな彼に暴行容疑で逮捕された資産家の息子から弁護依頼が舞い…

定本 百鬼夜行―陽  (ねこ4.2匹)

京極夏彦著。文春文庫。 人に見えないものが視える。闇の中に、他人の恐怖が悔恨が苦痛が悲哀が―視えてしまう。そんな男、榎木津礼二郎にとりついているのは魚の眼だった(「目競」)。『狂骨の夢』『絡新婦の理』『邪魅の雫』他の名作、そして『鵺の碑』に登…

黒いモスクワ ST 警視庁科学特捜班  (ねこ3.8匹)

今野敏著。講談社文庫。 ロシアの捜査当局と情報交換のために急遽出張せよ――。モスクワに到着した警視庁科学特捜班、通称STの百合根と赤城を待ち構えていたのは、ロシア正教会で起きたマフィア怪死事件だった。怪異の噂のある場所で変死は連続する。怪現象か…

ホーンズ 角/Horns (ねこ3匹)

ジョー・ヒル著。白石朗訳。小学館文庫。 イグネーシャス・マーティン・ペリッシュは酔って一夜を過ごし、忌まわしいことをした。翌朝、頭痛とともに目覚めてすぐ、こめかみに手をやると、馴染みのない感触が伝わってきた――(本文より) フランツ・カフカ『…

試験に出ないパズル 千葉千波の事件日記  (ねこ3.6匹)

高田崇史著。講談社文庫。 有名な“川渡しの問題”を高田流にアレンジした「山羊・海苔・私」、図書館を舞台にした暗号を解く「八丁堀図書館の秘密」など、論理パズルと事件の謎解きをコラボレートした、ユーモア推理短編集。有栖川有栖氏が「高田ワールド」を…

夢幻花  (ねこ3.7匹)

東野圭吾著。PHP文芸文庫。 花を愛でながら余生を送っていた老人・秋山周治が殺された。第一発見者の孫娘・梨乃は、祖父の庭から消えた黄色い花の鉢植えが気になり、ブログにアップするとともに、この花が縁で知り合った大学院生・蒼太と真相解明に乗り出す…

養鶏場の殺人/火口箱/Chickenfeed/The Tinder Box (ねこ3.8匹)

ミネット・ウォルターズ著。成川裕子訳。創元推理文庫。 1920年冬、エルシーは教会で純朴な青年に声をかけた。恋人となった彼が4年後に彼女を切り刻むなどと、だれに予想できただろう―。英国で実際に起きた殺人事件をもとにした「養鶏場の殺人」と、強盗殺害…

戻り川心中  (ねこ4.3匹)

連城三紀彦著。光文社文庫。 大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。岳葉が真に愛したのは?女たちを死なせてまで彼が求めたものとは?歌に秘められた男の野望と道連れにされる女…

空飛ぶ広報室  (ねこ3匹)

有川浩著。幻冬舎文庫。 不慮の事故で夢を断たれた元・戦闘機パイロット・空井大祐。異動した先、航空幕僚監部広報室で待ち受けていたのは、ミーハー室長の鷺坂、ベテラン広報官の比嘉をはじめ、ひと癖もふた癖もある先輩たちだった。そして美人TVディレクタ…

霊応ゲーム/The Wishing Game (ねこ3.8匹)

パトリック・レドモンド著。広瀬順弘訳。ハヤカワ文庫。 1954年、イギリスの名門パブリック・スクールで学ぶ14歳の気弱な少年ジョナサンは、同級生ばかりか教師にまでいじめられ、つらい日々を送っていた。しかしある時から、クラスで一目置かれる一匹狼のリ…

宰領 隠蔽捜査5  (ねこ3.8匹)

今野敏著。新潮文庫。 衆議院議員が行方不明になっている伊丹刑事部長にそう告げられた。牛丸真造は与党の実力者である。やがて、大森署管内で運転手の他殺体が発見され、牛丸を誘拐したと警察に入電が。発信地が神奈川県内という理由で、警視庁・神奈川県警…

覘き小平次  (ねこ3.7匹)

京極夏彦著。角川文庫。 押入で死んだように生きる木幡小平次は、天下随一の幽霊役者。ある時、旅巡業の声がかかるが、それは凝り続けた愛と憎しみが解き放たれる修羅の幕開けであった。女房・お塚を始め、小平次の周りに蠢く生者らの欲望、悲嘆、執着が十重…

この闇と光  (ねこ3.9匹)

服部まゆみ著。角川文庫。 森の奥に囚われた盲目の王女・レイアは、父王の愛と美しいドレスや花、物語に囲まれて育てられた…はずだった。ある日そのすべてが奪われ、混乱の中で明らかになったのは恐るべき事実で―。今まで信じていた世界そのものが、すべて虚…

動物好きに捧げる殺人読本/The Animal-Lover's Book of Beastly Murder (ねこ3.7匹)

パトリシア・ハイスミス著。中村凪子ほか訳。創元推理文庫。 犬、猫、駱駝、象、鼬、……。彼らが人を殺してしまったのには、やはりそこにいたるまでの事情というものがあったのです。最新式の養鶏場を舞台に悲劇と狂気が描かれる「総決算の日」、滑稽にしてブ…