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定本 百鬼夜行―陽  (ねこ4.2匹)

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京極夏彦著。文春文庫。

 

人に見えないものが視える。闇の中に、他人の恐怖が悔恨が苦痛が悲哀が―視えてしまう。そんな男、榎木津礼二郎にとりついているのは魚の眼だった(「目競」)。『狂骨の夢』『絡新婦の理』『邪魅の雫』他の名作、そして『鵺の碑』に登場する者たちの闇と因果を綴る怪異譚。魔術的な語りの果てに―妖しきものが現れる。初文庫化! (裏表紙引用)

 


我らが愛する京極堂シリーズ(正式には「百鬼夜行シリーズ」というらしい、知らなかった)のスピンオフ第二弾?。あれ?「陰」と版元変わってない??読書をサボっていた時期のツケか、続編出てるのを知らなかったという。ところで新作「鵺の碑」っていつ出るのもう出てるのそれまでこれでお茶を濁してろってことなの。

 

ということで内容は、京極堂シリーズに登場した脇役たちがそれぞれのお話の主役となる短篇集。ていうか脇役なんてほぼ覚えてないよ^^;わかったのは「目競」のえのさんだけ。。。しかし分からなくとも支障はなく、それぞれがゾっとする独立した怪談という感じで楽しめる。母親が横で死んでいても普段通りに暮らす青年の話とか、蛇が怖くて着物が着れない女性の話とか、自堕落な女のふしだらな様子を屏風から覗く妖怪の話とか。京極版・官能小説みたいなのもあったし、やはり独特の世界観でとても面白い。600ページ近くあったがあっという間に読めた。やっぱ改行だいじ(笑)。

 

最後に妖怪絵巻が載っているけど、でかい顔だけの妖怪が怖すぎて夢に出そうだ。