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聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた(ねこ4匹)

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井上真偽著。講談社ノベルス

 

聖女伝説が伝わる地方で結婚式中に発生した、毒殺事件。
それは、同じ盃を回し飲みした八人のうち三人(+犬)だけが殺害されるという不可解なものだった。参列した中国人美女のフーリンと、才気煥発な少年探偵・八ツ星は事件の捜査に乗り出す。
数多の推理と論理的否定の果て、突然、真犯人の名乗りが!?
青髪の探偵・上苙は、進化した「奇蹟の実在」を証明できるのか? (裏表紙引用)

 

 

「その可能性はすでに考えた」シリーズ(初回出荷限定特別カバーにそう書いてます^^;なげーよ)、第二弾!

 

今回は、前半はお家騒動とも言うべき結婚式殺人事件。探偵役のウエオロは後半まで登場せず、弟子である聯が推理をする。ウエオロの借金の貸主であるフーリンもなぜか巻き込まれている。。。和田家で起きた挙式中の「回し飲み」毒殺事件、毒を入れられたのは一体誰か?が主体。毒で死んだ者は三名、いずれも花婿、花婿父、花嫁父と男性ばかり。女、男、女、というように回された盃に犯人はどうやって毒を仕込んだのか、そして「罪を着せる」人物とされたのは誰か。非常~~~にややこしいが、全ての仮説が提示され、さらにその全てに反証する、というこのキッチリ感、やはり好きだ。ややこしいけど、聯の推理にじっくりついて行けば論証の部分はおさらいという感じなので大丈夫。

 

花嫁父の土下座送りとか両親を罵倒する伝統とか、本当にこんな地域あったらどうしようと思うレベル。容疑者の和田姉妹の口の悪さとかも凄すぎて逆に笑える。。。正直この第一部が一番面白かった。第二部への引きも含めて。

 

そしてフーリンの宿敵?リーシーが登場しててんやわんやする第二部。ここは前作と同じで香港映画ふう。そろそろウエオロ出て欲しい、聯じゃちょっと頼りないしフーリンなんか怪しすぎるし。と思ってたら、ウエオロさん。間に合わないから、船………(笑)。そしてまさかのドローン!(笑)。「ブラウンスタディ」ポーズが出るのが遅かったけど、単に正統派推理に徹するのではなく、キャラの事情やらなんやらを踏まえて解決に持って行くのがさすが。

 

ということですっかりこの作家の大ファンになりました、私。出来は前作のほうがいいのかもしれないけど(というか当然インパクトは前作に負ける)、一定の水準を保っているし中国中国した文章も控え目になってるかな?(個人的にそれは残念なのだけどね)とりあえず年4作くらいのペースでシリーズ20作くらい続けて欲しい!