すべてが猫になる

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2016-01-01から1年間の記事一覧

眼球堂の殺人 ~The Bооk~ (ねこ3.7匹)

周木律著。講談社文庫。 神の書、“The Book”を探し求める者、放浪の数学者・十和田只人が記者・陸奥藍子と訪れたのは、狂気の天才建築学者・驫木煬の巨大にして奇怪な邸宅“眼球堂”だった。二人と共に招かれた各界の天才たちを次々と事件と謎が見舞う。密室、…

春の魔法のおすそわけ  (ねこ2.8匹)

西澤保彦著。中公文庫。 ある朝、作家・鈴木小夜子は桜の舞う歩道橋の上にいた。ひどい二日酔いに見舞われ、昨晩の記憶はない。手には札束が入った見知らぬバッグ、そして現れる不思議な美青年…。謎と酒に酔いしれる、一夜限りのファンタジックなミステリ。…

祈りの幕が下りる時  (ねこ3.8匹)

東野圭吾著。講談社文庫。 明治座に幼馴染みの演出家を訪ねた女性が遺体で発見された。捜査を担当する松宮は近くで発見された焼死体との関連を疑い、その遺品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることに加賀恭一郎は激しく動揺する。それは孤独死した…

氷の眠り/Icy Clutches  (ねこ3.7匹)

アーロン・エルキンズ著。嵯峨静江訳。ミステリアス・プレス文庫。 アラスカの氷河で発見された一片の人骨から、意外な事実が判明した。30年前に遭難したとされていた調査隊員は、実は殺されていたのだ。骨の鑑定にあたったギデオン・オリヴァー教授は、F…

短篇五芒星  (ねこ4匹)

舞城王太郎著。講談社文庫。 「許せないんだよ」「りゅ、ふう、…っぐ、りゅう、流産が」。二十七歳の春、突然流産のことが気になりだした僕。理不尽な赤ちゃんの死が高頻度で起きることに怒り、妄執する男を描いた「美しい馬の地」。他「アユの嫁」「四点リ…

緑の我が家  (ねこ3.8匹)

小野不由美著。講談社X文庫。 浩志は、父親の再婚をきっかけに家を出た。壁に囲まれた路地を入り、「緑の扉」を開いた浩志を迎えたのは、高校生の一人暮らしには充分な広さの部屋と、不可解な出来事。無言電話、奇妙な落書き、謎の手紙etc.そして、「出てい…

毒草師 白蛇の洗礼  (ねこ3.7匹)

高田崇史著。朝日文庫。 裏千家の茶席で発生した毒殺事件。真相を追う編集者の西田の前で、第二の被害者は自らの吐血で十字を描いた。同席者が次々と殺害される中、彼は千利休の奇妙な経歴に辿り着く。傲岸不遜にして博学の“毒草師”御名形史紋の推理が冴える…

アトランティスのこころ/Hearts in Atlantis (ねこ3.5匹)

スティーヴン・キング著。白石朗訳。新潮文庫。 初めて彼女にキスした少年のあの夏、それ以上のキスが二度と訪れはしないことを、ぼくは知らなかった…。1960年、11歳のボビーとキャロル、サリー・ジョンは仲良し3人組だった。だが、ひなびた街に不思議な老人…

夢にも思わない  (ねこ3.6匹)

宮部みゆき著。中公文庫。 秋の夜、下町の庭園での虫聞きの会で殺人事件が。殺されたのは、僕の同級生のクドウさんの従姉だった。被害者には少女売春組織とのかかわりがあったらしい。無責任な噂があとを絶たず、クドウさんも沈みがち。大好きな彼女のために…

ST 警視庁科学特捜班 赤の調査ファイル  (ねこ3.8匹)

今野敏著。講談社文庫。 大学病院に搬送された男が急死した。医療ミスを訴えたものの民事裁判で敗れた遺族が刑事告訴をしたため、STが捜査を開始する。その大学病院で研修医をしていたSTリーダーの法医学担当・赤城左門は、捜査の過程で、封印していた自らの…

星を撃ち落とす  (ねこ3.5匹)

友桐夏著。創元推理文庫。 世界に憧れる有騎、いつも一緒の鮎子と茉歩。三人の女子高生の友情は、問題児の美雲と関わったことで変化していく。四人の間に緊張が高まる中、悲劇が…。後日、罪悪感に囚われ思い悩む有騎がたどり着いたのは、天体観測会が行われ…

鉄の薔薇/La Rose de Fer (ねこ3.6匹)

ブリジット・オベール著。堀茂樹訳。ハヤカワ文庫。 東西の壁が崩壊したあとナチの残党が暗躍するヨーロッパ。表向きは国際経営コンサルタント、裏ではプロの銀行強盗という二重生活を営むジョルジュは、銀行を襲うべく訪れたブリュッセルの街で、ジュネーブ…

南極。  (ねこ3匹)

京極夏彦著。集英社文庫。 丸い肉塊に黒い縦筋が十数本。その不気味な肉質が蛇腹のように縮んで、にゅう、と眉毛が八の字になった―人気最低の四流小説家、南極夏彦(通称・簾禿げ)と編集者たちが繰り広げるナンセンスギャグの極致が、ついに文庫化。赤塚不二…

星読島に星は流れた  (ねこ3.8匹)

久住四季著。創元推理文庫。 天文学者ローウェル博士は、自分の住む孤島で毎年、天体観測の集いを開いていた。それほど天文に興味はないものの、家庭訪問医の加藤盤も参加の申し込みをしたところ、凄まじい倍率をくぐり抜け招待客のひとりとなる。この天体観…

王妃の帰還  (ねこ4匹)

柚木麻子著。実業之日本社文庫。 私立女子校中等部二年生の範子は、地味ながらも気の合う仲間と平和に過ごしていた。ところが、公開裁判の末にクラスのトップから陥落した滝沢さん(=王妃)を迎え入れると、グループの調和は崩壊!範子たちは穏やかな日常を取り…

呪い!/Curses! (ねこ3.8匹)

アーロン・エルキンズ著。青木久惠訳。ハヤカワ文庫。 人類学教授ギデオン・オリヴァーは、マヤ遺跡の発掘に協力するため、メキシコへ飛んだ。遺跡から人骨が見つかり、彼が鑑定を依頼されたのだった。だがそこで、奇怪な事件が起きた。人骨のそばで発見され…

恋と禁忌の述語論理  (ねこ4匹)

井上真偽著。講談社ノベルス。 大学生の詠彦は、天才数理論理学者の叔母、硯さんを訪ねる。アラサー独身美女の彼女に、名探偵が解決したはずの、殺人事件の真相を証明してもらうために。詠彦が次々と持ち込む事件―「手料理は殺意か祝福か?」「『幽霊の証明』…

闇に香る嘘  (ねこ4匹)

下村敦史著。講談社文庫。 孫への腎臓移植を望むも適さないと診断された村上和久は、兄の竜彦を頼る。しかし、移植どころか検査さえ拒絶する竜彦に疑念を抱く。目の前の男は実の兄なのか。27年前、中国残留孤児の兄が永住帰国した際、失明していた和久はその…

ダーク・タワーⅡ 運命の三人/The Dark Tower Ⅱ The Drawing of the Three

スティーヴン・キング著。風間賢二訳。新潮文庫。 旅をともにしてきた少年ジェイクを、〈暗黒の塔〉への執念から見捨てた〈ガンスリンガー〉ローランド。旅を続ける彼は〈黒衣の男〉の言葉通り浜辺へと辿り着くが、そこで待っていたのはロブスターの化け物だ…

パズル自由自在 千葉千波の事件日記 (ねこ3.7匹)

高田崇史著。講談社文庫。 これは、論理パズルでデコレーションした本格ミステリか、それとも本格ミステリの仮面を剥ぎ取った論理パズルか?天才高校生・千波くん、平凡浪人生・ぴいくんたちと一緒に、筋道だったチャーミングでエレガントでスプレンディッド…

山女日記  (ねこ4匹)

湊かなえ著。幻冬舎文庫。 こんなはずでなかった結婚。捨て去れない華やいだ過去。拭いきれない姉への劣等感。夫から切り出された別離。いつの間にか心が離れた恋人。……真面目に、正直に、懸命に生きてきた。なのに、なぜ? 誰にも言えない思いを抱え、山を登…

特捜部Q ―知りすぎたマルコ―/Marco Effekten (ねこ4匹)

ユッシ・エーズラ・オールスン著。吉田薫訳。ハヤカワ文庫。 犯罪集団によって物乞いやスリをさせられてきた少年マルコ。組織から脱走を図った彼は、逃げ込んだ先で腐乱した男を発見する。その死体には、巨悪の思惑が絡み合う国際的な陰謀が隠されていた。一…

ST 警視庁科学特捜班 青の調査ファイル (ねこ3.7匹)

今野敏著。講談社文庫。 心霊テレビ番組の収録中、スタッフが首を骨折して死亡した。密室での出来事は事故死と処理されかけたが、警視庁科学特捜班は殺人の可能性を追う。霊能者、タレント、反目し合うスタッフ。そして超常現象の影。だがST・青山は真相を…

毒草師 QED Another Story (ねこ4匹)

高田崇史著。講談社文庫。 「恐ろしいのは毒草ではなく人間です」。名家・鬼田山家で、「一つ目の鬼を見た」と言い残し、施錠された離れから家人が次々と失踪する事件が発生。さらに長男・柊也が何者かに毒殺され…。関係者全員を前に、古今東西の薬と毒に精…

さよなら、シリアルキラー/I Hunt Killers (ねこ3.8匹)

バリー・ライガ著。満園真木訳。創元推理文庫。 ジャズは高校三年生。町ではちょっとした有名人だ。ある日、指を切りとられた女性の死体が発見され、ジャズは連続殺人だと保安官に訴える。なぜジャズには確信があったのか―彼が連続殺人犯の息子で、父から殺…

島はぼくらと  (ねこ4匹)

辻村深月著。講談社文庫。 瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。朱里、衣花、源樹、新の四人は島の唯一の同級生。フェリーで本土の高校に通う彼らは卒業と同時に島を出る。ある日、四人は冴島に「幻の脚本」を探しにきたという見知らぬ青年に声をかけられる。淡い恋と…

死神の浮力  (ねこ3.9匹)

伊坂幸太郎著。文春文庫。 娘を殺された山野辺夫妻は、逮捕されながら無罪判決を受けた犯人の本城への復讐を計画していた。そこへ人間の死の可否を判定する“死神”の千葉がやってきた。千葉は夫妻と共に本城を追うが―。展開の読めないエンターテインメントで…

断崖の骨/Murder in the Queen’s Arms (ねこ3.8匹)

アーロン・エルキンズ著。青木久惠訳。ハヤカワ文庫。 楽しいはずの新婚旅行がだいなしだった。新妻のジュリーとイギリス南西部の風光明媚な地を訪れたギデオン・オリヴァー教授は、またもや事件に巻き込まれてしまった。見学先の博物館から貴重な先史人の骨…

深泥丘奇談・続々  (ねこ3.8匹)

綾辻行人著。角川書店。 2004年に怪談専門誌『幽』でスタートした〈深泥丘シリーズ〉。今夏、シリーズ完結篇となる第三集『深泥丘奇談・続々』がついに刊行。本格ミステリ作家が「謎→解決」の枠組みにとらわれない創作怪談に挑んだことで、第一集刊行時には…

ドミノ倒し  (ねこ1.5匹)

貫井徳郎著。創元推理文庫。 地方都市・月影市で探偵業を営む十村は、亡くなった元恋人の妹から殺人事件の調査を依頼される。十村が旧友の警察署長と調査に着手したところ、過去に月影市内で起きた未解決殺人事件との奇妙な共通点が見つかり、さらに調べると…