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ST 警視庁科学特捜班 赤の調査ファイル  (ねこ3.8匹)

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今野敏著。講談社文庫。

 

大学病院に搬送された男が急死した。医療ミスを訴えたものの民事裁判で敗れた遺族が刑事告訴をしたため、STが捜査を開始する。その大学病院で研修医をしていたSTリーダーの法医学担当・赤城左門は、捜査の過程で、封印していた自らの過去と対峙する――。感動のラストが待つ好評「色シリーズ」第2弾。(裏表紙引用)

 

 

STの色シリーズ第2弾は赤城さん主役(いつも主役だが)。なので、対人恐怖症であまり登場しない赤城さんがほぼ出ずっぱりで嬉しい。大学病院が起こした医療ミスがテーマで、医者でもある赤城さんの本領が発揮される。読んでいて、ドラマのどの話だったか記憶にないぞ?と思っていたら「赤城ちゃん」と呼ぶナースと青山さんの筆跡鑑定のくだりで思い出した。このお話、連ドラをやる前に単発で放送されたドラマのやつだ(キャスト同じ)。逆に、ドラマでは完全に赤城さんは自宅に引きこもっていて(自宅の玄関に鉄のドアみたいなバリケードがあるというw)、あまり登場しなかったんだよね。登場しても気ぐるみ被ってたりとかなり重症だった。連ドラで主役がコレでは話にならんということでああなったんだと思われる。

 

事件については、最初捜査していた通りの真相だとさすがに病院側も気の毒かなあと思わなくもなかった。誤診は犯罪ではないし、医師にもナースにも家族はいるわけで。逆の立場になったら冗談じゃない、って思うだろうけども。だけど病院の実態が明るみになるにつれ、とんでもない犯罪だったのだなあと許しがたい気持ちに。大学病院の内情とか知らなかった。絶対行くのやめようって思ってしまう^^;

 

ちなみに、青山さんの決めゼリフ「ねえ、僕もう帰っていい?」は発動せず(T ^ T)。山吹さんはあまり目立たずで、翠さんと黒崎さんの「人間嘘発見機」が大活躍。STに敵対心を持つ刑事にそれが発揮されたのが笑えた。さすがにここまで嘘が分かるってことはないと思うけどマンガだと思って読んで下さい。

 

ファンとしては、やはりラストシーンが人気なのでは。あの赤城さんがあんな熱いセリフをSTに・・・!メンバーの気遣いも見れるし、赤城さんの過去も分かるし、赤城萌えの読者にはたまらん1作。