真梨幸子著。徳間文庫。
あの女さえ、いなければ――。篠田淳子は中学時代の同級生、佐竹純子が伊豆連続不審死事件の容疑者となっていることをニュースで知る。同じ「ジュンコ」という名前の彼女は、淳子の人生を、そして淳子の家族を崩壊させた張本人だった。親友だった女、被害者の家族、事件を追うジャーナリストのアシスタント……。同じ名前だったがゆえに、彼女たちは次々と悪意の渦に巻き込まれていく。(裏表紙引用)
真梨さんの文庫新刊はやはりこれぞザ・イヤミス。タイトル通り、章ごとに5人のジュンコが登場する。この事件は完全にかつての「木嶋佳苗」事件を下敷きにしており、最初に登場する「佐竹純子」がそのモデルとなっている。この純子がまあこれがまた、マンガかというぐらい嫌な女で^^;見た目の酷さの描写もかなりエグいのだけど、成績も悪い性格も悪いで救いがない。自分の悪い成績表と友だちの良い成績表を勝手に交換して修正液で名前を書き換えたりするか普通^^;お金も盗むし嘘はつくし。しかしまあ、こうやってこういう人は他人を翻弄していくのかあ、と感心する勢い。
その友人の淳子も、被害者かと思ったらなかなかの悪魔なのよねえ。純子がそうさせたのかもしれないけど。ジュンコ、ではない名前の女性も沢山登場するのだけど、これがまたどいつもこいつも歪みすぎてて笑えるレベル。男もえぐいけど。掲示板とかで芸能人の批判とかにハマっている人ってこういう心理なのかなあ。匿名って自分のスペックや容姿が見えないものね。