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宰領 隠蔽捜査5  (ねこ3.8匹)

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衆議院議員が行方不明になっている伊丹刑事部長にそう告げられた。牛丸真造は与党の実力者である。やがて、大森署管内で運転手の他殺体が発見され、牛丸を誘拐したと警察に入電が。発信地が神奈川県内という理由で、警視庁・神奈川県警に合同捜査が決定。指揮を命じられたのは一介の署長に過ぎぬ竜崎伸也だった。反目する二組織、難航する筋読み。解決の成否は竜崎に委ねられた! (裏表紙引用)

 


竜崎シリーズ第6弾~(3.5があるので)。やっぱりこのシリーズは安定の面白さ!今回は衆議院議員の誘拐&その運転手の殺人事件ということで捜査本部も大がかり。発生したのは神奈川県だがその後の動きが東京ということで、警察内部の縄張り争いが顕著。事件解決のスピードと正確さが何より優先される竜崎はそんな警察にまたしてもイライラ。前線本部を仕切ることになったけど、言うことを聞かない連中や立場重視の体制に読んでいるこちらもモヤモヤ。警視庁の刑事部長にタメ口をきく竜崎に驚く周りの警察官が相変わらず笑える。元々高い身分から降格になっているからね、竜崎は。

 

最初は反発していた捜査員たちが、竜崎の人柄と仕事ぶりに惚れて態度を変えていくのもいいねえ。事件の真相は現代らしくて驚いたけど、さらに別の真相があってさらに驚き。確かにちょっとそのままの真相では緩かったかも?

 

今回の読みどころはやはり息子の東大受験を心配する竜崎の父親の顔と、伊丹との意地を張ったやり取り(笑)。伊丹のお茶目ぶりに目を細める読者は多かろうな。もちろん私も。