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ルーフォック・オルメスの冒険/Les Aventures de Loufock=Holmes (ねこ3.6匹)

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カミ著。高野優訳。創元推理文庫

 

名探偵ルーフォック・オルメス氏。オルメスとはホームズのフランス風の読み方。シャーロックならぬルーフォックは「ちょっといかれた」を意味する。首つり自殺をして死体がぶらさがっているのに、別の場所で生きている男の謎、寝ている間に自分の骸骨を盗まれたと訴える男の謎等、氏のもとに持ち込まれるのは驚くべき謎ばかり。フランス式ホームズ・パロディ短篇集。必読の一冊。(裏表紙引用)

 


カミ二冊目。ルーフォック・オルメス=シャーロック・ホームズのフランス読みということで、ホームズのパロディなのねフムフムと思い読み始めたが・・・。ホームズとは何の共通点もなかった。繰り広げられるのは、全34編からなる全力のコント。死体の口の中に肘まで手を突っ込んでいた老人の謎とか1メートル2センチの手に平手打ちされた事件とか自分の骸骨が抜き取られたと言い張る男の話とか。。。いちいちツッコむのもアホらしいおもしろネタばかり。最初のうちは強烈なアホアホ劇場を楽しんでいたが、さすがに飽きて来た(笑)。第一部はひたすらオルメスの凄いハチャメチャ推理ものが並んでいて、第二部は宿敵と闘うシリーズと続いてまあ気分は変えられるが。

 

とにかくまあ、こういうのもたまにはいい。芝居風に描かれているので読みづらかったが、登場人物が名前でなく「<使用前-使用後>の老人」とか「疑い深い警察署長」とか「虫も殺さぬ顔の盗賊1」とかになってるのが面白かった。カミの原文の辻褄の合わなさをいちいちツッコむ訳者もツボだったし。でも全体的な印象は蘇部健一の「六枚のとんかつ」なんだよな。。。