2010-01-01から1年間の記事一覧
貫井徳郎著。集英社文庫。 しょぼい仕事で日々を暮らすお人好しの詐欺師コンビ、高杉と園部。ひょんなことから切れ者の美人同業者とチームを組むはめになり、三人で一世一代の大仕事に挑戦する。それは誰も傷つかない、とても人道的な犯罪計画だった。準備万…
ジョナサン・キャロル著。創元推理文庫。 黄昏の列車のなかで、ぼくは目を瞠るほど美しい親子と同席になった。妖艶で饒舌な母親と、うまく舌が回らず涙ぐむ娘。だが母親が急にぼくを誘惑しはじめ、逃げようとしたとたん、「いか、か、かないでお願い!」娘が…
北村薫著。創元推理文庫。 最終学年を迎えた≪私≫は卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げていく一方、田崎信全集の編集作業に追われる出版社で初めてのアルバイトを経験する。その縁あって、図らずも文壇の長老から芥川の謎めいた言葉を聞くことに。≪あれは…
東野圭吾著。講談社文庫。 婚約中の男性の自宅に突然現れた一人の女性。男に裏切られたことを知った彼女は服毒自殺をはかった。男は自分との関わりを隠そうとする。醜い愛憎の果て、殺人は起こった。容疑者は3人。事件の鍵は女が残した毒入りカプセルの数と…
ディーン・クーンツ著。文春文庫。 ミスター・マーダー――売れっ子ミステリー作家マーティをマスコミはこう呼ぶ。素顔の彼は妻と二人の娘を大切にする家庭的な男。平穏に暮らしていたが、突然、記憶の欠落に悩まされる。不安な毎日を送るマーティが、ある日家…
今野敏著。新潮社。 「隠蔽捜査」シリーズが8倍楽しめる、スピンオフ短編集、いよいよ登場!警視庁刑事部長・伊丹俊太郎と大森署長・竜崎伸也。幼馴染にして同期のキャリア二人の絶妙なやり取りが、難事件を解決に導く――竜崎に敵対する野間崎方面本部管理官…
マイクル・クライトン著。ハヤカワ文庫。 アリゾナ州ピードモントは、無人衛星の着地後、瞬時に死の町と化した。現地で極秘裡に衛星の回収作業を行っていた回収班からの連絡も、やがてぷっつりと途絶えた。どうやら地球外病原体――それも恐るべき致死性を持つ…
東野圭吾著。講談社文庫。 竹内しのぶ、25歳、独身。大阪大路小学校の教諭だが兵庫の大学へ内地留学中。あれから三年、浪花のヘプバーンこと、しのぶセンセがさらにパワーアップして帰ってきた。もう誰にも止められない!?抱腹絶倒、でもチョッピリ切ない…
マイクル・Z・リューイン著。ハヤカワ文庫。 万年夜勤刑事だったパウダー警部補は失踪人課の長になった。が、正規の部下は車椅子の女刑事ただ一人という小さな部署。ぼやきながらの初仕事は、自殺未遂者の身元調べだった。その女は全裸で発見された上、一切…
太田忠司著。講談社文庫。 僕が5歳の時、信州の別荘で起こった惨劇―それは僕自身の記憶と両親を奪い去った。あれから10年、事件の真相に迫ろうとする男が現れ、殺された。あの事件には、なにか封印された秘密がある。僕は犠牲者ではなく、加害者だったの…
我孫子武丸著。文春文庫。 京都で探偵事務所を営む「私」のもとに久々にやってきた仕事の依頼は、なんと誘拐事件の解決。もっとも誘拐されたのは家で飼われていたドーベルマンで、つまりは犬の捜索が仕事なのだった……。苦手な動物がらみの依頼ばかり次々に舞…
デイヴィッド・ベニオフ著。新潮文庫。 厳冬のニューヨーク。モンティは明日、収監される。刑期は7年。自由でいられるのはあと24時間。刑務所でハンサムな若い白人男性を待ち受ける運命は恥辱に満ちている。選択肢は服役、逃亡、そして自殺―。絶望を抑え…
道尾秀介著。ポプラ社。 作家になるまでの道程から、昔好きだった女の子との話まで…。一篇一篇に驚きが詰まった、新感覚のエッセイ54篇に加え、17歳のときに初めて描いた絵本『緑色のうさぎの話』。19歳のときに初めて文字で綴った戯曲『誰かが出て行…
ロバート・J・ソウヤー著。ハヤカワ文庫。 全世界の人びとが自分の未来をかいま見たら、なにが起こるのか?2009年、ヨーロッパ素粒子研究所の科学者ロイドとテオは、ヒッグス粒子を発見すべく大規模な実験をおこなった。ところが、実験は失敗におわり、…
スティーヴン・キング著。文春文庫。 敵は厳重な警備下にいる。倒せるチャンスはただひとつ、自動車で移動している間だけ……。妻を殺された男が犯罪組織の大物に挑む復讐戦。完全防護のキャデラック相手に仕組んだ奇想天外な計略を描く表題作ほか、キング一流…
岡嶋二人著。講談社文庫。 プロデビューを目指す若き音楽家カップルの千秋と要之介。ある日、富豪の後添いとなった友人から、弟と先妻の息子が一緒に誘拐されたと相談を受ける。身代金の受け渡し場所は、どこにも逃げ場のない湘南の小島。にわか探偵と化した…
ウィリアム・ギブスン著。ハヤカワ文庫。 ハイテクと汚濁の都、千葉シティの空の下、コンピュータ・ネットワークの織りなす電脳空間を飛翔できた頃に思いを馳せ、ケイスは空虚な日々を送っていた。今のケイスはコンピュータ・カウボーイ能力を奪われた飢えた…
貫井徳郎著。双葉文庫。 「若者たちの失踪の背後にあるものを探って欲しい」依頼に応えて、環敬吾はチームのメンバーに召集をかけた。私立探偵・原田柾一郎、托鉢僧・武藤隆、肉体労働者・倉持真栄。三人のプロフェッショナルが静かに行動を開始する。暴かれ…
ジム・トンプスン著。扶桑社ミステリー文庫。 ポッツヴィル、人口1280。この田舎町の保安官ニックには、心配事が多すぎる。考えに考えた結果、自分にはどうすればいいか皆目見当がつかない、という結論を得た。口うるさい妻、うすばかのその弟、秘密の愛…
ディーン・R・クーンツ著。扶桑社ミステリー文庫。 ファンハウスのオーナー、コンラッドは、異形に生まれついた赤ん坊を溺愛していた。だが行く末を悲観した妻のエレンは、わが子を殺してしまう。怒り狂ったコンラッドは妻を叩き出し、復讐を誓う。いつの日…
森見登美彦著。角川書店。 森見ワールド第2章の幕が開く!小学四年生の僕が住む郊外の町に、突然ペンギンたちが現れた。それには歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知った僕は、その秘密を研究することにした。森見登美彦が初めて挑む、ジ…
マーガレット・ミラー著。創元推理文庫。 ヘレンは怯えて台から電話を払い落とした。友人だというその女の声は、はじめ静かでほほえんでいた。だが、話すほどに悪意を剥き出しにし、最後にはこちらの死をほのめかす、予言めいた台詞を吐いたのだった。不安を…
アントニイ・バークリー著。創元推理文庫。 これを奇遇と呼ぶべきか。伯母と犯罪学と切手蒐集から成る人生に安住していたチタウィック氏は、訪れたホテルで一人の老婦人が白昼堂々毒殺される現場に遭遇する。この女性がなんとも伯母さんというほかなく、氏自…
桜庭一樹著。角川書店。 「愛してるわ!ずっと昔から…。子供の頃から、愛していたわ!」町でいちばん美しい、娼婦の四姉妹が遺したものは?(1、2、3,悠久!)、黄色い目の父子と、彼らを愛した少女の背徳の夜(ジャングリン・パパの愛撫の手)、死にか…
永嶋恵美著。講談社文庫。 ホームレスになってしまった「ボク」は、食料を探していた神社で、小学生の麻由から弁当を手渡される。巧妙な「餌付け」の結果生まれた共犯関係は、運命を加速度的に転落へと向かわせる。見せ掛けの善意に隠された嫉妬・嘲笑・打算…
ジェフリー・ディーヴァー著。文春文庫。 ハーレムの高校に通う16歳のジェニーヴァが、博物館で何者かに襲われそうになるが、機転をきかせて難を逃れる。現場にはレイプのための道具に、1枚のタロットカードが残されていた…。単純な強姦未遂事件と思い捜…
アイザック・アシモフ著。ハヤカワ文庫。 突然、警視総監に呼びだされたニューヨーク・シティの刑事ベイリは、宇宙人惨殺という前代未聞の事件の担当にされた。しかも、指定されたパートナーは、ロボットのR・ダニールだった。ベイリはさっそく真相究明にの…
飴村行著。角川ホラー文庫。 ある地方の町外れに住む双子の兄弟、須川磨太吉と矢太吉。戦時下の不穏な空気が漂う中、二人は自力で生計を立てていた。二人には同じ好きな女がいた。駅前のカフェーで働くゆず子である。美人で愛嬌があり、言い寄る男も多かった…
ウィリアム・アイリッシュ著。創元推理文庫。 戦後のわが国に紹介されたミステリ作家のなかで、もっとも広く歓迎されたサスペンス・スリラーの第一人者ウィリアム・アイリッシュの傑作の粋を集めた待望の短編集。大都会のなかの人間の孤独、しのびよる死の影…
ドロシー・L・セイヤーズ著。創元推理文庫。 兄のジェラルドが殺人犯!? しかも、被害者は妹メアリの婚約者だという。お家の大事にピーター卿は悲劇の舞台へと駆けつけたが、待っていたのは、家族の証言すら信じられない雲を掴むような事件の状況だった………