すべてが猫になる

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私が彼を殺した  (ねこ3.7匹)

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東野圭吾著。講談社文庫。

婚約中の男性の自宅に突然現れた一人の女性。男に裏切られたことを知った彼女は服毒自殺をはかった。男は自分との関わりを隠そうとする。醜い愛憎の果て、殺人は起こった。容疑者は3人。事件の鍵は女が残した毒入りカプセルの数とその行方。加賀刑事が探りあてた真相に、読者のあなたはどこまで迫れるか。(裏表紙引用)


加賀刑事シリーズの読みこぼし。

どちらかが彼女を殺した」で加賀ファンになったわたくしとしては、犯人当てよりも加賀の魅力を探る事に神経が行っていたようで。「どうせ考えてもわからん」と推理を投げ出し、巻末の「推理の手引き」をアテにしてしまったが、これから本書を読む読者のために一言忠告を。考えたほうがいいと思います^^;手引きを読めば犯人を特定出来るぐらい親切丁寧なミステリなので。ただ、薬の数とかいつどこで誰の手に渡ったかとかその時誰が居たかとか、そこまで理路整然とまとめるのは脳みそがいるのでとりあえずネットのネタバレ書評へ飛ぼう。

というわけでネタバレ書評へ飛んでスッキリした読者の一人であるわたくし。皆推理についてしか語ってないけれど、物語としても面白いのでそういう読み方をしてもいいと思う。被害者の男がとにかくクズに描かれているので、その周りで振り回される人々の心理や行動もなかなか過激。最初に出て来る兄妹はいきなり体の関係があるので引くし、被害者に捨てられた編集者とか被害者の下で屈辱を味わい続けるマネージャーとか、ドラマとしてはかなりのドロドロ。その中で、敏腕イケメン最高世界一刑事の加賀さんの存在が清涼剤になっているんだわあ。ネコを見て「ロシアンブルーですか」。マイクル・クライトンと聞いて「『ディスクロージャー』あたり?」(なんだかわからんが「ジュラシック・パーク」と言わないところが加賀クオリティ、笑)。いちいちカッコいい加賀語録が堪能出来てわたくしは満足じゃ。

・・・復活早々バカっぽい記事だ。。。


(431P/読書所要時間3:30)