すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

ペンギン・ハイウェイ  (ねこ3.6匹)

イメージ 1

森見登美彦著。角川書店

森見ワールド第2章の幕が開く!小学四年生の僕が住む郊外の町に、突然ペンギンたちが現れた。それには歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知った僕は、その秘密を研究することにした。森見登美彦が初めて挑む、ジュヴナイル小説。(あらすじ引用)


ジュブナイルって知らなかった^^;どうりでノレなかったわけだ。
序盤~と全然入っていけなかった自分は、モリミーで有り得ない事だが本気で挫折しようかと思っていた。が、挫折する前にと思って読書メーターを覗いてみたら絶賛の嵐。。。そういうことなら自分も同じ感動が欲しい、と思って読み続けたわけ。

う~ん、たしかに中盤以降はノレたけど。出来はいいと思うけど。自分が楽しめたか、好みだったか、という観点では微妙。街中に突然ペンギンの大群が現れては消える、という設定自体は面白いし、主人公やサブキャラの人物造形は見事なもの。作品中嫌いなキャラクターが出て来たことがない、っていうのは凄いことだと思うんだよな。主人公が小学4年生で、哲学的思考をする少年というところにまず面白味がある。勉強は出来るけど、恋心のなんたるかはまだわからない。その少年が、初恋を自覚しないままそれを原動力に好奇心を追求して行くという、なんとも好感の持てる素敵なお話なのだ。この少年、割と図太いところもあって、いじめっ子に対して飄々として周りを煙に巻く一面がある。頭脳を武器にして、ノートとおっぱいで世の中に立ち向かうというなんともお茶目で憎めないキャラクター。


と、このように美点を分析することは出来る。
ただ、ノレなかった。最後もとても切なく感動的なのだが、それを姑息に感じる自分が居ただけだった。世間の評価はとても高いのだから、またしても自分の好みに変化が現れて来たか。


(348P/読書所要時間3:00)