すべてが猫になる

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2005-01-01から1年間の記事一覧

死者は黄泉が得る (ねこ4.1匹)

講談社文庫。 死者を蘇らせる装置のある謎の館には、生ける屍と化した数人の女性が存在していた。 館を訪れる人間を次々殺し、「装置」によって仲間を増やす。その記憶をリセットする 機能もあり、誰が「創始者」かは誰にもわからない。 その一方、館の隣町…

真っ暗な夜明け (ねこ4.3匹)

氷川透著。第15回受賞作。 ミステリ作家志望の氷川透は、学生時代のバンド仲間と同窓会で再会。しかし、飲み会が お開きになって外で別れたはずのリーダー、和泉が駅構内のトイレで撲殺死体で発見される。 人の出入りなしの不可能状況、容疑者は仲間全員。…

スウェーデン館の謎 (ねこ4匹)

講談社文庫。 おなじみ国名シリーズの第二弾です。 前作「ロシア紅茶の謎」は短編集でしたが、本作は長編になります。 推理作家アリスは、スウェーデン館と呼ばれる雪のログハウスに招かれた。 そこで遭遇した、離れで起きる犯人の足跡だけがない殺人事件と…

ZOO (ねこ4.6匹)

集英社。10作品収録の短編集です。 全世界で(大げさな)自分が思う「天才」を3人挙げろ、と言われたら、 間違いなく乙氏を挙げます。 もしかして寝ながら書いてんじゃないかとかテレビ観て笑いながら書いてんじゃないかとか 想像してしまうのは私だけで…

葉桜の季節に君を想うということ (ねこ3.4匹)

文藝春秋。 素人探偵の成瀬は、ある日駅のホームで自殺をはかった女性を救う。それがきっかけで 交際が始まる。一方、友人のキヨシから悪徳商法会社のからむ殺人事件の調査を依頼されてーー。 以下、思いっきりネタバレします。↓未読の方は絶対読まないでく…

犯人に告ぐ (ねこ3匹)

雫井修介著。双葉社。 巻島警視は、神奈川で起きた男児誘拐事件を担当する。 姿を見せない周到な犯人に翻弄され、捜査は失敗した。男児は死体で発見され、 犯人らしき人物を特定しかけながらも逃げられ、さらには記者会見でとんでもない 失態を見せる。 そし…

フレームアウト (ねこ1.9匹)

生垣真太郎著。第27回受賞作。 舞台はアメリカはニューヨーク。 映画編集者デイヴィットが観たのはリアルな「スナッフ」ビデオだった。 出演女優アンジェリカと、失踪したもう一人のアンジェリカの行方は!? 最初に、「スナッフビデオ」とは何ぞや!?と…

記憶の果て (ねこ3.9匹)

浦賀和宏著。第5回受賞作。 父の自殺。彼の残したパソコンの中には、自ら「裕子」と名乗る少女が存在していた。 プログラムに意識は宿るのか?一体彼女は何者なのか?? 冒頭から「親父が死んだ。自殺だった。」という突飛な書き出しで物語は始まります。 …

それでも、警官は微笑う (ねこ2.9匹)

日明恩(たちもり・めぐみ)著。第25回受賞作。 「キチク」と恐れられる武本と、お坊ちゃん警部補の二人がコンビを組み、 裏で暗躍する銃と麻薬の巨大組織に関わって行く。同時に、麻薬捜査官との 軋轢問題がからんでーーーー。 月並みですが、面白かった…

学ばない探偵たちの学園 (ねこ3匹)

東川篤哉著。実業之日本社ジョイ・ノベルス。 学園コメディミステリ。 主人公は、部室のない学園探偵部の二人と、騙されてまんまと入部させられた 語り手の赤坂少年。(ツッコミ役) 保健室で起きた密室殺人。足跡がない殺人現場、いかにして犯人はこの空間…

昆虫探偵 ーシロコパκ氏の華麗なる推理ー (ねこ3.4匹)

鳥飼否宇著。光文社文庫。 短編集です。 ある朝目覚めるとゴキブリになっていたーーーー、という、カフカ「変身」を彷彿とさせる (というかそのまま、、、笑)書き出しから始まる「昆虫界本格ミステリ」。 「なんで人間がゴキブリになるねん!」「なんで昆…

月長石の魔犬 (ねこ0.8匹)

秋月涼介著。第20回受賞作。 正常と異常のボーダーラインと、頭部を切断され犬の首を縫い付けられた死体の謎。 ……って感じですか。 最近ではよくあるテーマ。(犬の首はともかく) 文章はそんなに悪くはないです。(と、思う) 構成も、普通。章ごとにそれ…

月光ゲーム ーYの悲劇’88ー (ねこ3匹)

創元推理文庫。初のデビュー長編です。 夏合宿のために矢吹山のキャンプ場へやって来たアリスら推理小説研究会一行。 偶然一緒になった雄林大学、神南学院短大のグループらと意気投合し、行動を 共にする。しかし、彼らに予想だにしない事態が起こる。矢吹山…

木乃伊男 (ねこ3.6匹)

蘇部健一著。(六枚のとんかつ書いた人ですよ)講談社ノベルス。 「絵で犯人がわかる」。人気漫画家、里中満智子さん(おお!)がイラスト担当。 一昔風の里中さんのタッチが妙に合ってます。(決して読む前に本をぱらぱら しないで下さい。) 布部正男君は…

霧の迷宮から君を救い出すために (ねこ4.2匹)

黒田研二(クロケン)著。実業之日本社ジョイ・ノベルス。 「動くものが見えない」。ある事故で、動体視力を失ってしまった青年、杉村。 密室のシェルターから職場の上司、由希の死体が発見され、さまざまな騒動に巻き込まれる。 いいですねえクロケン! ま…

暗闇の中で子供 (ねこ3.9匹)

講談社ノベルス。前作「煙か土か食い物」の奈津川家シリーズの続編です。 はい、もうこれはいちいちあらすじ書きませんよーー。 この本にあらすじなんて何の意味もありゃしませんからねーー。 前作は四男の四郎ちゃんが主人公でしたが、今回は三男の三郎ちゃ…

空を見上げる古い歌を口ずさむ (ねこ3.4匹)

小路幸也著。講談社。第29回受賞作。 主人公の青年が、20年ぶりに兄と再会。 その兄のモノローグでほぼ占められた作品です。 兄の小学生時代の物語。ある「パルプ町」という土地で暮らす兄は、突然、全ての人々の顔が「のっぺらぼう」に見え始めた。そし…

パラサイト・イヴ (ねこ2.7匹)

瀬名秀明著。角川ホラー文庫。第2回日本ホラー小説大賞受賞作。 化学者の永島の妻が突然の事故死。永島は、妻の細胞を取り出し培養する。 妻はドナー登録者で、腎臓を14歳の少女に移植する。その細胞は「Eve1」と呼ばれる 意志を持った物体だったーー。 …

ホラー作家の棲む家 (ねこ3.3匹)

三津田信三著。講談社ノベルス。 菊池秀行氏による「三津田信三よ、貴殿は人間か」というキャッチコピーが怖い(笑)、 怪奇小説です。 編集者の三津田信三は、「怪奇小説」の執筆を目論む。その一方、あるホラー大賞に彼の名で 身に覚えのない原稿が応募さ…

Kの流儀 ーフルコンタクト・ゲームー (ねこ4.2匹)

中島望著。講談社ノベルス。(文庫出ないのかなあ。。)第10回受賞作。 作者は国際空手道連盟極真会館所属。本作はその館長、松井章圭さんの推薦文つき。 悪の巣窟の高校へ転校してきた一見ごく平凡な少年、逢川総二は、実は極真空手の名人だった。 恒例の…

DOOMSDAY ー審判の日ー (ねこ2匹)

津村巧著。講談社ノベルス。第22回受賞作。 新本格SF。全編殺戮(笑)。 監獄から出所したばかりの元海軍、日系アメリカ人のハヤシ=コウイチ。 出所後の受け入れ先、フラートン郡の市民は前科者の日本人を徹底的に拒絶、 抗議した。 そんな平和なフラート…

エナメルを塗った魂の比重 ー鏡稜子ときせかえ密室ー (ねこ4.2匹)

佐藤友哉著。講談社ノベルス。 メフィスト賞受賞作「フリッカー式」の『鏡家サーガ』シリーズ、第2弾です。 前作は次男の公彦君が主人公でしたが、本作はお姉さんの稜子さんにスポットが。 この人も異常なんだよねたしか。。。 えーと、登場人物多し。 転校…

空の境界 (ねこ3.5匹)

奈須きのこ著。講談社ノベルス。 1998年10月から「竹箒」というホームページにて連載されていた連作小説。 しかし第1話~4話以降はホームページで閲覧できず、6、7話に至っては 身内にしか見られない完全限定。 「続きが読みたい!」というファン…

名探偵はもういない (ねこ4.9匹)

原書房(ミステリーリーグ)。 霧舎氏初のノンシリーズものかしらん。 山間のペンションで起こった連続怪死事件。「名探偵」は「あのひと」が登場!!!!! 最初に申し上げて起きますが、私はこの作家の大大ファンなのでねこ点数はかーなーりー 身びいきで…

アイルランドの薔薇 (ねこ3.9匹)

石持浅海著。光文社ノベルス。デビュー作です。 「北アイルランドの政治状況が生んだ『嵐の山荘』!日本人科学者・フジの推理が、 犯行の動機に迫る」 ………なんかかっちょいいので引用してみました。ここ太字ね。 正直あらすじを読んだだけではNCFやらアイル…

殉教カテリナ車輪 (ねこ3.9匹)

飛鳥部勝則著。東京創元社。第9回鮎川哲也賞受賞作。 井村は、ある日ふと職場で初老の学芸員、矢部と親しくミステリ談義をする機会に遭った。 矢部は、密室で自殺した冴えない画家、東条寺桂の手記を読んでみてくれと言う。 ーーーーーで、手記。 東条寺の…

クール・キャンデー (ねこ4匹)

若竹七海著。祥伝社文庫。書き下ろし。 中学生の渚の誕生日の前日に兄嫁が死んだ。そして、兄嫁の死亡時刻にストーカーも死んでいた。 警察は兄を疑っていて……。「兄貴は無実だ!あたしが証明してみせる!」 実は、最近まで女性の本格推理作家というものを敬…

日曜日の沈黙 (ねこ0.3匹)

石崎幸二著。講談社ノベルス。第18回受賞作。 密室で死んだミステリ作家、来木来人の館から来たイベントの案内。彼が残した「お金では 買えない究極のトリック」とは!? あいたたたたたたたたたたた。 だめだこりゃ。 小学生向きか?あえてこういう文体を…

茨姫はたたかう (ねこ4匹)

近藤史恵著。祥伝社文庫。書き下ろし。 内気で、対人関係に怯える梨花子は、ストーカーに悩まされていた。引っ越してきたマンション には、2人の個性豊かな女性が住んでおり、そのなれなれしさや、価値観の相違にも 苦しむ。その梨花子が、精神、肉体共に癒…

奪取 (ねこ4.9匹)

真保裕一著。講談社。 日本推理作家協会賞、山本周五郎賞W受賞作。 主人公は道郎という22歳の青年。友人の雅人が悪徳金融から作った1260万円という借金を返すため、偽札作りに 悪戦苦闘する物語です。 うーん、こんな面白い本に今まで手をつけていなか…