鳥飼否宇著。光文社文庫。
短編集です。
ある朝目覚めるとゴキブリになっていたーーーー、という、カフカ「変身」を彷彿とさせる
(というかそのまま、、、笑)書き出しから始まる「昆虫界本格ミステリ」。
「なんで人間がゴキブリになるねん!」「なんで昆虫が日本語喋っとんねん!」という
ツッコミはなしということで。昆虫界殺虫事件です、と言い切るこの世界を楽しむ方向で
さあはりきって読んで行きましょうか。
まず、個々のタイトル。「蝶々殺蛾事件」「哲虫者の密室」「昼のセミ」「吸血の池」
「生けるアカハネの死」(ぷーーーーっ)「ジョロウグモの拘」(ぷぷぷーーーーっ)
「ハチの悲劇」
……どうです、本格ミステリファンならよだれが出そうなこのタイトルの山、山。
みなさんはいくつ元ネタがわかりましたか?
まとめ感想を全体的に。
期待以上でも以下でもない。面白い話はどこまでも面白く、正直「コレはいかがなものか」
というのもありました。
文章はコミカルで読みやすく、会話もちょっと漫才要素が気になるもののさくさく系。
昆虫だからこその事件、そして推理も昆虫界ならでは。昆虫に全く明るくない私には
どれもこれも「ほっほーう」という真相でした。生物学を専攻している方には常識なのかな。
多少、脚色もあるらしいのでまあ楽しめるのかな?
ただね、私、昆虫全般大の苦手なんす。。。
イラストがリアルなんす。。。かんべんして。。。
作中で「へびが嫌い(足無し系!)か、蜘蛛が嫌い(足多い系!)か、人間は必ずどっちかに
分かれる」という記述がありましたが、私、間違いなくどっちも嫌いなんですけど!!!!