講談社文庫。
死者を蘇らせる装置のある謎の館には、生ける屍と化した数人の女性が存在していた。
館を訪れる人間を次々殺し、「装置」によって仲間を増やす。その記憶をリセットする
機能もあり、誰が「創始者」かは誰にもわからない。
その一方、館の隣町では謎の連続殺人が発生しーー。
これはシリーズものではありません。
西澤さんは単発ものの方が好きな私ですが(って、たいしてシリーズ物読んでないけど)、
この作品もやっぱり西澤ベスト3に入りますね。
構成は単純ながら、謎の館と隣町での殺人事件との章がくるくる入れ替わり、
なかなか面白いですねー。その二つの事件がどうつながっているのかが、
最後までわからない。あまりにも「SF」「現実の事件」の世界が
違うので。
もちろん最後に全てが明らかになるのですが、犯人が意外な上、二つの事件のつながり方が
見事。すべてのパズルのピースがきっちりハマっていくくだりでは感動すら覚えます。
そして、それだけではなく。
これは私だけかもしれないですが、一番評価しているのはそこ↑ではないんです。
○系列だと思っていたんですが…………あわわわ、これってネタバレ?
(↑あわてて今伏せ字にした)
これが、この作品で西澤さんが仕掛けた最大の技だと思ったんですけど。。
最後のややこしいどんでん返しとかがどうでもいいと思ったくらいに感心したのですが。。。
皆さんはどう思われたでしょうか。