すべてが猫になる

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日曜日の沈黙 (ねこ0.3匹)

石崎幸二著。講談社ノベルス。第18回受賞作。


密室で死んだミステリ作家、来木来人の館から来たイベントの案内。彼が残した「お金では
買えない究極のトリック」とは!?


あいたたたたたたたたたたた。
だめだこりゃ。
小学生向きか?あえてこういう文体を使ったのではなく、ほんとに筆力がないだけでは
なかろうか。

まず、主人公の女子高生2人。ミステリを全く読んだことがないのに「ミステリ研究会」に
所属している、っていうこのキャラ設定。もうこれだけでアウトだわ。。。
かと言ってワトスン役、ってわけでもなく、実は素人のナントカですごい推理を見せる、って
ほどでもない。
そもそも、ミステリを読んだことがない少女から「推理小説の探偵みたいに真相をじらさないで」
みたいなセリフが何で出てくるのか??人物像が定まってない~~。

「お金では買えない究極のトリック」真相が二転三転するんだけども、却下した方の真相の方が
面白かった、ってそれどうなんでしょう。
感動的な帰結だったのかもしれませんが、もうしらけちゃいました。

一番面白かったのは、出版本の形態のうんちく。ノベルスの広告の内輪ネタとか「ふーん」と
思ったし。ハードカバーより安く文庫より高い「ノベルス」についてきゃんきゃんと講釈を
垂れてる。こういうのって、マニアにしか喜ばれないね、確実に。

基本的に、本格ミステリというよりは「パズル本」、かな。ストーリーらしいストーリーが
ほとんど皆無。(一応骨子はあるけど)そういうのが好きな方なら、楽しめるのかも。