すべてが猫になる

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学ばない探偵たちの学園 (ねこ3匹)

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東川篤哉著。実業之日本社ジョイ・ノベルス。

学園コメディミステリ。
主人公は、部室のない学園探偵部の二人と、騙されてまんまと入部させられた
語り手の赤坂少年。(ツッコミ役)
保健室で起きた密室殺人。足跡がない殺人現場、いかにして犯人はこの空間から
消え失せたのか!?そこに失踪したアイドルの謎が加わってーーー。



あははははは。
コメディというかギャグの応酬ですよこれは。あーーおかしい。
テンポが抜群にいい。先輩2人のとんでもないボケに、唯一の常識人間(ミステリは素人)、
赤坂くんのツッコミが入り笑いがとまりません。。
はっきり言って、コメディミステリが苦手な私でも夢中になりました。

単なるコントではなく、ちゃんとミステリファンにしか通じない
マニアックなネタも挿入。

久保先生「はははは、そいつはいい。真犯人はオランウータンだったりしてな」
赤坂くん「ははは、馬鹿な。そんな話は、仮にミステリにしても三流ですよ。そんな
    小説書く人がいたら、みんなの笑い者ですね、きっと」
久保先生「…………」久保はふと笑うのを止めた。「つかぬことを聞くが、君、本当に
    探偵小説研究部なのかね」
赤坂くん「え、ええ、そうですよ」あれ?おれ、なにかマズイこと言ったのかな。
(以上、本文引用)

まあ終始こんな感じで(笑)↑こういうの、好きなんです。


密室トリックは、はっきり言って「とんでもトリック」。んな、ばかな。

コメディという性格柄、そらそうなんですけど、殺人が起きてるというのに一貫して
緊張感ゼロ。

伏線がほとんどないタイプの謎解きなので、探偵役がおもむろにトリックに気付いたりする
所はあまりいただけません。何が言いたいって、そもそも完全○○トリックなのでそれも
一因ですが読者が作品の謎に対して無機的になってしまうスタイルのものは肌に合わない
ということです。


シリーズ化してもいいくらいキャラは立ちまくってますが、好みははっきり分かれるぞ、コレ。