すべてが猫になる

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パラサイト・イヴ (ねこ2.7匹)

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瀬名秀明著。角川ホラー文庫。第2回日本ホラー小説大賞受賞作。


化学者の永島の妻が突然の事故死。永島は、妻の細胞を取り出し培養する。
妻はドナー登録者で、腎臓を14歳の少女に移植する。その細胞は「Eve1」と呼ばれる
意志を持った物体だったーー。


うーーん。バイオホラーというものは苦手。
生化学用語が頻繁に文中に出て来るし手術のくだりがかなり医学の専門知識煩雑。
といっても素人にも理解できるようわかりやすく描かれているので混乱はしない。

ミトコンドリアが意識を持つ、という設定はいいのですが肝心のストーリーが
それに負けてる感が強い。前半~中盤までがどうも「説明書き」要素過多で
引き込まれない。後半のテンポの良さを冒頭から持って来ないと読者は飽きてしまいます。

個人的には「エクソシスト」と「楳図かずおの某作」と「リング」(こっちが後か?)を
まとめて読んでる気分になりました。

心理的な恐怖はまるで皆無でしたが、怪物の実体の描写がことごとく緻密ですごい。
文章で映像が浮かぶ(浮かびたくないんですが~~)、それって最高の賛辞なんでしょうか。