2020-01-01から1年間の記事一覧
大山誠一郎著。文春文庫。 鍵のかかった教室から消え失せた射殺犯、警察監視下の家で発見された男女の死体、誰もいない部屋から落下する女。名探偵・密室蒐集家の鮮やかな論理が密室の扉を開く。これぞ本格ミステリの醍醐味!物理トリック、心理トリック、二…
島田荘司著。講談社文庫。 自殺する理由がない男女が、次々と飛び降りる屋上がある。足元には植木鉢の森、周囲には目撃者の窓、頭上には朽ち果てた電飾看板。そしてどんなトリックもない。死んだ盆栽作家と悲劇の大女優の祟りか?霊界への入口に名探偵・御手…
ロバート・ロプレスティ著。高山真由美訳。創元推理文庫。 「事件を解決するのは警察だ。ぼくは話をつくるだけ」そう宣言しているミステリ作家のシャンクス。しかし実際は、彼はいくつもの謎や事件に遭遇して、推理を披露し見事解決に導いているのだ。取材を…
森博嗣著。講談社タイガ。 触れ合うことも、声を聞くことも、姿を見ることすら出来ない男女の亡霊。許されぬ恋を悲観して心中した二人は、今なお互いを求めて、小高い丘の上にある古い城跡を彷徨っているという。 城壁で言い伝えの幽霊を思わせる男女と遭遇…
伊坂幸太郎著。新潮文庫。 兎田孝則は焦っていた。新妻が誘拐され、今にも殺されそうで、だから銃を持った。母子は怯えていた。眼前に銃を突き付けられ、自由を奪われ、さらに家族には秘密があった。連鎖は止まらない。ある男は夜空のオリオン座の神秘を語り…
高田崇史著。講談社文庫。 今なお、河童伝説が残る川で、左手首が切断された死体が、続いて、左腕が切り落とされた死体が浮かぶ。一方、相馬野馬追祭(そうまのまおいまつり)を見物に出かけていた棚旗奈々たち一行は、岩手県遠野まで足を伸ばしていた桑原崇と…
大倉崇裕著。創元推理文庫。 未踏峰への夢を息子に託す登山家が、後援を止めようとする会社の相談役を撲殺、登り慣れた山で偽装工作を図る「未完の頂上」。動物をこよなく愛するペットショップ経営者が、動物を金儲けの道具として扱うブリーダーの義弟を許せ…
オルダス・ハクスリー著。大森望訳。ハヤカワepi文庫。 すべてを破壊した〝九年戦争〟の終結後に、暴力を排除し、共生・個性・安定をスローガンとする清潔で文明的な世界が形成された。人間は受精卵の段階から選別され、5つの階級に分けられて徹底的に管理・…
大倉崇裕著。双葉文庫。 なんとか中堅出版社に就職した白戸修。事件とは無縁な生活を送っているかと思いきや、鬼門である中野で、またまたトラブルに巻き込まれていた。でもやっぱり困っている人は見過ごせないし、人の頼みも断れない。クスッと笑えて、ほろ…
池井戸潤著。小学館文庫。 ロケットエンジンのバルブシステムの開発により、倒産の危機を切り抜けてから数年―。大田区の町工場・佃製作所は、またしてもピンチに陥っていた。量産を約束したはずの取引はあえなく打ち切られ、ロケットエンジンの開発では、NAS…
島田荘司著。新潮文庫nex。 進々堂。京都大学の裏に佇む老舗珈琲店に、世界一周の旅を終えた若き御手洗潔は、日々顔を出していた。彼の話を聞くため、予備校生のサトルは足繁く店に通う―。西域と京都を結ぶ幻の桜。戦禍の空に消えた殺意。チンザノ・コークハ…
自宅で殺されたエッジウェア卿の妻は、美貌の舞台女優ジェーン・ウィルキンスンだった。彼女は夫との離婚を望んでおり、事件当夜屋敷で姿を目撃された有力な容疑者だった。しかし、その時刻に彼女はある晩餐会に出席し、鉄壁のアリバイがあった…数多の事件の…
名探偵ポアロが出会った美女ニックは、古びた邸の所有者であった。彼女は「三度も命を狙われた」ことを告白するが、まさにその最中、ポアロの目の前で彼女の帽子が撃ち抜かれた!ポアロは真相を探るべく邸に赴くが、手がかりはまったくつかめない。不安が支配…
雪に覆われ下界と遮断されたシタフォード村の山荘。そこに集まった隣人たちが退屈しのぎに降霊会を試みる。現われた霊魂は、はるかふもとの村に住む老大佐の殺害を予言した! 駆けつけると、大佐は撲殺されており、しかも殺害時刻は、まさに降霊会の最中だっ…
「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃ…」エルサレムを訪れていたポアロが耳にした男女の囁きは闇を漂い、やがて死海の方へ消えていった。どうしてこうも犯罪を連想させるものにぶつかるのか?ポアロの思いが現実となったように殺人は起こった。謎に包まれた…
レイフ・GW・ペーション著。久山葉子訳。創元推理文庫。 国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、命は助かったものの麻痺が残る。そんな彼に主治医が相談をもちかけた。牧師だった父が、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたとい…
大倉崇裕著。創元推理文庫。 今や生殺与奪の権を握る営業部長となった元同人誌仲間に干される漫画家、先代組長の遺志に従って我が身を顧みず元組員の行く末を才覚するヤクザ、銀行強盗計画を察知し決行直前の三人組を爆弾で吹き飛ばすエンジニア夫婦―過去数…
島田荘司著。講談社文庫。 瀬戸内の小島に、死体が次々と流れ着く。奇怪な相談を受けた御手洗潔は石岡和己とともに現地へ赴き、事件の鍵は古から栄えた港町・鞆(とも)にあることを見抜く。その鞆では、運命の糸に操られるように、一見無関係の複数の事件が同…
高田崇史著。講談社文庫。 靖国神社を皮切りに、築土神社、神田明神、首塚・兜神社、烏森神社、稲荷鬼王神社、鎧神社、さらには成田山新勝寺へ。お花見に出かけたはずの棚旗姉妹と桑原崇だったが、いつしか将門ゆかりの地を巡る小旅行に。日本を代表する大怨…
モーリーン・ジョンソン著。谷泰子訳。創元推理文庫。 天才や革新者を輩出してきたエリンガム・アカデミー。新入生のスティヴィは推理マニアで、過去に起きたアカデミー創設者の妻と娘の誘拐事件の謎に夢中になっている。身代金が支払われたのに妻は殺され、…
鳥飼否宇著。講談社タイガ。 ヒトと呼ばれた種が地球上から姿を消して、二百年が経った。世界は知能を持つ動物たちの王国となり、肉食・草食の別なく、平和に暮らしていた。だが、そんな楽園に不穏な影が忍び寄る!姿の見えない誘拐犯、密室から消えた非常食…
真梨幸子著。宝島社文庫。 余命、半年―。海老名亜希子は「お掃除コンシェルジュ」として活躍する人気エッセイスト、五十歳独身。歩道橋から落ちて救急車で運ばれ、その時の検査がきっかけで癌が見つかった。延命治療を受けないと決意した亜希子は“有終の美”…
坂木司著。角川文庫。 塾友のレンと俺は、似てるけど似てない―夜のコンビニで出会った少年たちの葛藤を描く(「トリとチキン」)。我が子を好きになれず悩む父親が、たった1人だけに打ち明けた本音とその答えとは…(「地鶏のひよこ」)。他人の意見に振り回され…
ケン・リュウ編。中原尚哉・他訳。ハヤカワ文庫。 天の秘密は円のなかにある――円周率の中に不老不死の秘密があると聞かされた秦の始皇帝は、五年以内に十万桁まで円周率を求めよと命じた。学者の荊軻は始皇帝の三百万の軍隊を用いた驚異の人間計算機を編みだ…
小林泰三著。創元推理文庫。 ここ最近、奇妙な生き物やアリスという少女が暮らす不思議の国の夢ばかり見ている大学院生の井森建は、ある晩、いつもとは違って、緑豊かな山の中でクララと名乗る車椅子の美少女と出会う夢を見る。翌朝、大学に向かった井森は、…
3 大山誠一郎著。実業之日本社文庫。 美谷時計店には「時計修理承ります」とともに「アリバイ崩し承ります」という貼り紙がある。難事件に頭を悩ませる新米刑事はアリバイ崩しを依頼する。ストーカーと化した元夫のアリバイ、郵便ポストに投函された拳銃の…
池井戸潤著。集英社文庫。 埼玉県行田市にある老舗足袋業者「こはぜ屋」。日々、資金繰りに頭を抱える四代目社長の宮沢紘一は、会社存続のためにある新規事業を思い立つ。それは、伝統の技術を駆使したランニングシューズの開発だった。世界的スポーツブラン…
カル・ニューポート著。池田真紀子訳。早川書房。 やらなきゃいけないことも、やりたいこともたくさんあるのに、SNSがとまらない……。AppleやTwitterが巧妙に仕掛ける依存の仕組みに抗うには、もはや一時的なデジタル・デトックスじゃ足りない。これは生き方…
三津田信三著。集英社文庫。 自殺する間際にメッセージを録音して残す人がいる。それを集めて記事にしないか? 編集者時代の三津田に企画を提案したライターが突然失踪。後日、三津田の元に届いた1本のテープには何が。カセットやMDに録音された体験談に…
森博嗣著。講談社文庫。 結婚をしたはずの男がいない。婚姻届は出されておらず預金も消えていたが、とにかく、もう一度会いたい――。依頼を受けた小川令子は男が結婚詐欺の常習犯だと突き止めるが、事件は殺人に発展する。一方、小川の事務所の謎めいた所長・…