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寄宿学校の天才探偵/Truly Devious  (ねこ3.7匹)

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モーリーン・ジョンソン著。谷泰子訳。創元推理文庫

天才や革新者を輩出してきたエリンガム・アカデミー。新入生のスティヴィは推理マニアで、過去に起きたアカデミー創設者の妻と娘の誘拐事件の謎に夢中になっている。身代金が支払われたのに妻は殺され、娘は行方不明のまま、犯人の正体も闇の中だ。スティヴィは事件の再調査を課題として与えられるが、そんなとき新たな死者が…。NYタイムズベストセラー作家の本格ミステリ。(裏表紙引用)
 
初読み作家さん。アメリカでは人気のYA向けミステリ作家だそうで。タイトルが気になって読んでみた。
 
主人公はピッツバーグ出身の16歳、スティヴィ。シャーロック・ホームズが大好きで、いつか自分も現実の死体を見たり事件を解決したりしてみたいと思っている。友人を作るのが苦手で、両親は自分を分かってくれない。そんなスティヴィの元へ、大富豪エリンガムから無料でエリンガム・アカデミーへの入学招待状が届いた。かつてエリンガム家で起きた未解決の妻子と女子生徒誘拐事件を調査し解決したいと張り切るスティヴィだが、アカデミーで新たにYou Tuberの生徒が殺害される事件が起きた。
 
いやあ、とにかくいい学校だなあ。どこにも負けない蔵書数、おしゃれな食べ物飲み物が全て無料、授業以外は自由時間、犯罪学の授業などを1人で受けることができ、先生やドクターは協力的。私も入りたいぞ。スティヴィの個性が埋没してしまいそうなほど、他の生徒が個性的。人気You Tuber、溶接マニア、ファンタジー作家、赤毛ツンツンファッションなどなど。。現にスティヴィは友人のジャネルとネイト以外からはあまり存在を眼に入れてもらっていない感じ。よくある元気で人気者のヒロインじゃないのがリアルでいい。パニック障害もちだったりするし。
 
YAっぽいなという要素は多々あって、抑えられない欲望や感情、見栄や鬱屈など、全ての生徒がそれを抱えていてパンパンになっている。これが過去の誘拐事件とどう繋がるのかな~。学園小説という面のほうが強い。スティヴィがある男子生徒といい仲になってしまったのはちょっとなあ。。ネイトとの友情にはグっときたけど。
 
ラストに怒涛の解決を見せるかに見えたが、ま、まさか、続きものだった…。三部作らしい。ショック。解決していない。なんかビックリするところで終わったし。帯とかに書いてて欲しかったなあ~。第二作出るころには内容忘れてるよ。。
 
と、いうことなので以下自分用にネタバレ。
 
 
 
 
 
ハイエスを殺したのはエリー?彼女のひとり。通路から消えた
ハイエスは自分で作品を作っていなかった。
ドライアイスをトンネルに運んだのは誰?
デヴィッドの正体は、上院議員エドワード・キングの息子?
スティヴィの両親はエドワードの信者
 
アイリスを殺したのは生徒??
生徒の隠していた箱にトゥルーリーの脅迫状の痕跡