すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

クララ殺し  (ねこ3.7匹)

f:id:yukiaya1031jp:20200617172923j:plain

小林泰三著。創元推理文庫

ここ最近、奇妙な生き物やアリスという少女が暮らす不思議の国の夢ばかり見ている大学院生の井森建は、ある晩、いつもとは違って、緑豊かな山の中でクララと名乗る車椅子の美少女と出会う夢を見る。翌朝、大学に向かった井森は、校門の前で、同じ姿の少女くららに呼び止められる。彼女は何者かから命を脅かされていると訴え、井森に助力を求めた。『アリス殺し』まさかの続編登場。(裏表紙引用)
 
「アリス殺し」の続編。ちなみにここのクララは「アルプスの少女」のほうのクララではないとのことで。
 
「地球」と「ホフマン世界」と「不思議の国」の三世界の間をぐるぐる回る、とってもややこしいファンタジーSFミステリ。主人公は大学生の井森で、彼の不思議の国での<アーヴァタール>は蜥蜴のビル。そのビルがホフマン世界へ迷い込んでしまう。そこで出会ったのがクララとおじのドロッセルマイアー判事。現実世界で命を狙われる<くらら>とクララのために、探偵役となって捜査を始める井森(ビル)だが…。
 
まあとにかく地球ではダレ、ホフマン世界ではダレ、とややこしいったらない。途中で考えるのを放棄した。最近こういうのホントだめなの、集中力が続かない。彼らの会話がおかしくてテンポがいいから、世界観を楽しむにはもってこいだと思うけどね。三種の世界を利用したトリックや真犯人、アーヴァタールが実はダレ問題などなど、手口はそれほど複雑ではなかったのでついていけた。「アリス~」が面白かったという人はこちらも楽しめるんじゃないかな。