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デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する/Digital Minimalism:Choosing a Focused Life in a Noisy World  (ねこ3.5匹)

 

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カル・ニューポート著。池田真紀子訳。早川書房。 

やらなきゃいけないことも、やりたいこともたくさんあるのに、SNSがとまらない……。AppleTwitterが巧妙に仕掛ける依存の仕組みに抗うには、もはや一時的なデジタル・デトックスじゃ足りない。これは生き方の問題で、僕らには新しい「哲学」が必要だ。すなわち、デジタル・ミニマリズムスマートフォンSNSから可処分時間/可処分精神を守り、情報の見逃しを怖れず、大切なことを大切にできる思考法=実践法。1600人超を対象に行なった集団実験から導き出されたメソッド――30日間の「デジタル片づけ」を実行し、あなたもデジタル・ミニマリストになろう。テック界の「こんまり」として話題のコンピューター科学者による、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー & Amazonベストブック。(紹介文引用)
 
初めてKindleで買った字の本。デジタル断捨離の本をデジタルで読むという。。
 
コンピューター科学が専門のジョージタウン大学准教授が書いたデジタル断捨離のススメ。ご本人はSNSを一切やらないというが、世界中の人がいつでもどこでもスマホから一日中目を離せないのは何故なのかを考察し、調査し、その上で「SNSから離れてリアルの生活を大事にする方法」を提案してくれる。
 
自分は一時期グループラインやTwitterにかなりの時間を使っていて、自主的にデジタル断捨離を実行しており、それがかなり効果があったためこの本に興味を持った。SNSやニュースをチェックするその一回一回は数分でも、一日に換算すると2、3時間になっていたと思うので。本によると、多い人だと8~10時間とかネットサーフィンに使ってしまうとのこと。フェイスブックを一日85回チェックとか。ニュース記事や知恵袋なんて下の方に「あなたへのおすすめ」的なものがどんどん出てきて、気がついたら1時間…なんてこともあると思うしね。そしてその内容にイラっとしたり。人の投稿を羨んだり、いいねに一喜一憂したり、精神が疲弊するのにやめられないのはなぜか。
 
なぜ人はスマホを手放せなくなったのか、承認欲求とは何か、「いいね」に幸福を感じるのはなぜかという疑問にしっかり答えてくれる内容だった。アクセスするたびに「いいねが入っているか、より良い情報があるか」のギャンブル、いわゆるスロットマシンとはうまい言い方をする。人から認められているかどうかが気になったり隣の人の脇腹をつつきたくなる心理は人間の旧石器時代からの本能だという。それが生死に関わるのだ。人は群れをなし社会を形成する生き物で、他人の評価から離れては生きていけないということ。などなど。
 
それが分かっただけでも知りたかったことは理解できたので価値はあったが、共感できないことも多々あったかな。。自主的うんぬんは置いといて、外で音楽を聴くことや家でネットフリックスを観ることはムダなことではないと思うぞ。。。実演すべきことは、「仲間や家族と顔を合わせて話し、自然を愛し、モノを作り、本を読もう、ジョギングしよう、楽器を習おう」という、流行りの「ていねいな暮らし」推奨本。素晴らしい生き方だと心から思うし、ある程度は実践している。しかし現実社会のリアルな付き合いに疲弊することも多々あると思うのだけどね。。いいねを押すのをやめて、直接会いに行こうはいいとしても、コメントするよりも話したいから時間指定して友人に電話をしてもらうとか……ミニマリストに付き合わされる側も結構大変かも。たとえでインディアンの生活とかを引き合いに出してきたり。。まあ人それぞれ、この本に書いてあることを丸々実践するのではなく、自分に合ったやり方で断捨離しようということ。日に50回も100回もスマホをチェックせずにいられない人や何時間もスマホをいじっている人(グーグルマップや食べログ、分からない言葉を検索する行為も含む)映画を観たり本を読んでいる途中でも数回スマホをチェックしてしまう人は一度読んでみてもいいんじゃないかな。