すべてが猫になる

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カウントダウン  (ねこ3.7匹)

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真梨幸子著。宝島社文庫

余命、半年―。海老名亜希子は「お掃除コンシェルジュ」として活躍する人気エッセイスト、五十歳独身。歩道橋から落ちて救急車で運ばれ、その時の検査がきっかけで癌が見つかった。延命治療を受けないと決意した亜希子は“有終の美”を飾るべく“終活”に勤しむが、夫を略奪した妹との決着や“汚部屋”の処分など数々の課題に直面することに。彼女は“無事に臨終”を迎えられるのか!?(裏表紙引用)
 
真梨さんの文庫新刊。
 
主人公は「お掃除コンシェルジュ」エッセイストの亜希子。バツイチの50歳。検査で余命半年の甲状腺癌が発覚した亜希子は、人生の「有終の美」を飾るために外商の薬王寺涼子の手を借りて終活を始める。しかし現実は過去に侵食され、上手くいかない状況だった…。
 
お掃除のプロの別宅がゴミ屋敷って…。そもそも、妹に旦那を取られたっていうのが有り得ない。。しかし亜希子のほうも性格に難ありすぎだろ…。なんでもかんでも、勝手に被害妄想持って人を妬んで羨んで、人望もなさすぎ。元夫への暴言や40万のソファーを勝手に買う行動や、新入社員挨拶でつまらない話を5分続けるとか自分に問題があるとは思わないのかしらね。十分成功者だと思うのだけど、それで自信ついたりしないのかなあ。昔の知り合いや妹のブログなんかをストーキングしたり、かえって自分を追い詰める性質は本当に読んでいて不快になるなあ。まあ、妹もひどいけど。
 
と、思って読んでいたら意外な真実が次々と。だからって亜希子への印象が変わったりしないところが真梨さんらしい。まともな人が1人もいないあたりも。。人は死ぬときに真の評価が決まるというけど、今までろくな人づきあいをしてこなかった人が死ぬときだけはきちんとされたい、とか都合良すぎるんだよなあ。
 
まあ、真梨作品にしては入り組んでいなくてややこしさがなかったのは良かった。これじゃ物足りない人のほうが多いかもしれないけど。