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福家警部補の報告  (ねこ3.7匹)

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大倉崇裕著。創元推理文庫

今や生殺与奪の権を握る営業部長となった元同人誌仲間に干される漫画家、先代組長の遺志に従って我が身を顧みず元組員の行く末を才覚するヤクザ、銀行強盗計画を察知し決行直前の三人組を爆弾で吹き飛ばすエンジニア夫婦―過去数々の修羅場をくぐり抜けてきた経験は、殺人事件に際しても活かされる。福家警部補はどこに着眼して証拠を集めるのか。三編収録のシリーズ第三集。(裏表紙引用)
 
福家警部補シリーズ第3弾。今回は3編収録の短編集。というか各中編集くらいのボリュームかな。安定の面白さ。
 
「禁断の筋書(プロット)」
漫画家として成功したみどりと、漫画家になれずに敏腕編集者となった真理子はかつて親友だった。真理子のせいで次々と仕事を失ったみどりは真理子のマンションで遂に手を下すが…。これは殺意が芽生えても仕方がない気がする。殺しちゃダメだけど。閉まっていた浴室、ペン先の方向、杖の音、靴の指紋。細かいところが気になる福家さん。これはファンの福家さんにも辛い事件だな。
 
「少女の沈黙」
暴力団ナンバーツーの菅原は、同士討ちに見せかけて二人のヤクザを殺した。少女誘拐事件もうまい具合に真実を隠蔽できたように思えたが…。いきものがかりの須藤さん登場!ひゅーひゅー。福家さんにヘコヘコするヤクザ一体なにもの。前出てたっけ。ヤクザもんだからあんま入り込めないな。。人情話なのは分かるけど。
 
「女神の微笑」
宝石強盗犯三人が銀行強盗を決行直前、車内で爆発が起き全員死亡した。なぜ彼らは車をわざわざ遠回りさせていたのか?後藤の妻の特殊な状況が犯罪を立証するというところが面白かった。追い詰めた理由がたまたまそうだった、というところが残念かな。しかしこの夫婦すごいな。。また登場しそう。福家さんの生涯の敵になるのかな。たのしみ。
 
以上。
警察手帳がいつも見つからないくだり、ちょっと飽きてきた(笑)。一万円持ってるつもりが千円だったなどなど、福家さんのドジっ子ぶりが今回も光る。しかしあちこちにお金借りすぎ。。。