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福家警部補の追及  (ねこ3.7匹)

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大倉崇裕著。創元推理文庫

未踏峰への夢を息子に託す登山家が、後援を止めようとする会社の相談役を撲殺、登り慣れた山で偽装工作を図る「未完の頂上」。動物をこよなく愛するペットショップ経営者が、動物を金儲けの道具として扱うブリーダーの義弟を許せず、遂には殺害を決意する「幸福の代償」。完全犯罪を目論む“善良な”犯人ふたりを追い詰める、福家警部補の決めの一手は。中編二編のシリーズ第四集。(裏表紙引用)
 
福家警部補シリーズ第4弾。短編集というか中編二編。
 
「未完の頂上」
登山家・狩の息子が、エベレストよりも難しいと言われるチャムガランガ登頂を目指すことになった。しかし今まで支援してくれていた不動産会社相談役中津川が後援を中止するという。狩は息子のために中津川を彼の自宅で撲殺し、彼が登り慣れた倉雲岳の崖から遺体を突き落とすが…。畳み方の異なるウェア、切られていたカーナビなど細かいところの矛盾を突いて狩を追い詰める福家さん。息子への思いは本物だけど、息子の気持ちのほうを考えられなかったのが敗因かな。
 
「幸福の代償」
劣悪な環境で犬を繁殖させている悪徳ブリーダーの男。血の繋がらない姉の千尋は様々な思いから弟を殺害。さらに弟の恋人を自殺に見せかけて殺し、恋人に罪をなすりつけるが…。弟は最低だと思うし、千尋の動物を思う気持ちは正しいと思う。けど、私欲も混じっているのは明らか。やりきれないことってあるけど、動物に対して心があるならなぜ、、と思う。
 
以上。
一週間寝なくても平気な福家さん、タフだなあ。。登山やボルタリング、ゴルフに至るまで造詣が深い。ていうかプロレベル。。なにものだ。。そして、参考人たちは福家さんと話をしたあと必ず何かしら人生がいい方向に向かうっていうのが凄い。これ、今までになかった要素じゃない?バッジもすんなり出すようになったし。ただ、犬(動物)が大の苦手だっていうのが萌える。。あっちのシリーズの薄ちゃんと対極なのがいいね。一応これで文庫追いついたかな。