すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2007-01-01から1年間の記事一覧

ゆきの山荘の惨劇 -猫探偵正太郎登場-  (ねこ3.4匹)

柴田よしき著。角川文庫。 オレの同居人、作家の桜川ひとみは、山奥の「柚木野山荘」で開かれる結婚式に招待された。そして、 無理矢理連れてこられたオレ(しかも一服盛られて!)。山荘で待っていたのは幼なじみのサスケと 美猫トマシーナとの出会い、しか…

青年のための読書クラブ  (ねこ3.6匹)

桜庭一樹著。新潮社。 東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。校内の異端者だけが集う「読書クラブ」には、 長きにわたって語り継がれる秘密の<クラブ誌>があった。そこには学園史上抹消された数々の 珍事件が、名もない女生徒たちによって脈…

片眼の猿  (ねこ4匹)

道尾秀介著。新潮社。 俺は私立探偵。ちょっとした特技のため、この業界では有名人だ。その秘密は追々分かってくる だろうが、「音」に関することだ、とだけ言っておこう。今はある産業スパイについての仕事を している。地味だが報酬が破格なのだ。楽勝な仕…

イナイ×イナイ  (ねこ3.6匹)

森博嗣著。講談社ノベルス。 「私の兄を捜していただきたいのです」 美術品鑑定を生業とする椙田事務所を訪れた黒衣の美人・佐竹千鶴はこう切り出した。都心の一等地に 佇立する広大な佐竹屋敷、美しき双子、数十年来、地下牢に閉じ込められているという行方…

少女七竃と七人の可愛そうな大人  (ねこ4.6匹)

桜庭一樹著。角川書店。 七竃はいんらんの母が七人の男と寝て生まれて来た少女だ。いんらんの娘は美しく、そして孤独だった。 親友の雪風と共に鉄道を愛し、二人だけの世界を造り上げて生きて来た。母はまだ旅に出ている。 そしてある日現れたスカウトの男を…

ηなのに夢のよう  (ねこ3.6匹)

森博嗣著。講談社ノベルス。 地上12メートルの松の枝に首吊り死体が!遺されていたのは「ηなのに夢のよう」と書かれた メッセージ。不可思議な場所での「η」の首吊り自殺が相次ぐなか、西之園萌絵は、両親を失った 10年まえの飛行機事故の原因を知らされ…

λに歯がない  (ねこ2.5匹)

森博嗣著。講談社ノベルス。 密室状態の研究所で発見された身元不明の4人の銃殺体。それぞれのポケットには「λに歯がない」と 記されたカード。そして死体には……歯がなかった。4人の関係、「Φ」からはじまる一連の事件との 関連、犯人の脱出経路ーーすべて…

εに誓って  (ねこ3匹)

森博嗣著。講談社ノベルス。山吹早月と加部谷恵美が乗車していた東京発中部国際空港行きの高速バスがジャックされた。犯人グループは、都市部に爆弾を仕掛けたという声明を出していた。乗客名簿には<εに誓って>という名前の謎の団体客が。<Φは壊れたね>…

レタス・フライ  (ねこ3.7匹)

森博嗣著。講談社ノベルス。 GシリーズとGシリーズの間を挟んで刊行された、シリーズキャラが密かに続々登場の9編収録の 短編集です。最近もっぱら森さんのワルクチ大会のようになっている当ブログですが、ブログタイトルに これほどふさわしいイベントも…

τになるまで待って  (ねこ3.6匹)

森博嗣著。講談社ノベルス。森林の中に佇立する<伽羅離館>。”超能力者”神居静哉の別荘であるこの洋館を、7名の人物が訪れた。雷鳴、閉ざされた扉、つながらない電話、晩餐の後に起きる密室殺人。被害者が殺される直前に聴いていたラジオドラマは『τになる…

禍家  (ねこ3.8匹)

三津田信三著。光文社文庫。 「ぼうず、おかえり……」12歳の少年・棟像貢太郎は、近所の老人が呟く言葉に不吉な予感を 覚えていた。両親を事故で亡くし、祖母と越してきた東京郊外の家。初めての場所のはずなのに、 知っている気がしてならないのだ。そして…

Θは遊んでくれたよ  (ねこ3.6匹)

森博嗣著。講談社ノベルス。飛び降り自殺とされた男性死体の額には「Θ」と描かれていた。半月後には手のひらに同じマークのある女性の死体が。さらに、その後発見された複数の転落死体に印されていた「Θ」。自殺?連続殺人?「Θ」の意味するものは?N大病院…

Φは壊れたね  (ねこ3.7匹)

森博嗣著。講談社ノベルス。おもちゃ箱のように過剰に装飾されたマンションの一室に芸大生の宙吊り死体が!現場は密室状態。死体発見の一部始終は、室内に仕掛けられたビデオで録画されていた。タイトルは『Φは壊れたね』。D2大学院生、西之園萌絵が学生た…

れんげ野原のまんなかで  (ねこ3.6匹)

森谷明子著。東京創元社ミステリ・フロンティア。 秋庭市のはずれもはずれ、ススキばかりがおいしげる斜面のど真ん中に立つ秋庭市立秋葉図書館、 そこが文子の仕事場だ。無類の本好きである先輩司書の能瀬や日野らと、日がな一日あくびをしながら お客さんの…

スラッシャー 廃園の殺人  (ねこ3.5匹)

三津田信三著。講談社ノベルス。 ホラー作家が怪異的理想をこめて造り上げた廃墟庭園。「魔庭」にこもっていた作家は姿を消し、 肝試しに忍び込んだ大学生達は遺体で発見された。その廃園を格好の舞台に選んだビデオ映画 スタッフに、忍び寄る黒い影…。惨劇…

スロウハイツの神様  (ねこ5匹)

辻村深月著。講談社ノベルス上下巻。 売れっ子脚本家・赤羽環が管理する「スロウハイツ」では、彼女のお眼鏡に適った6人のクリエイター 達が共同生活をしていた。その中の一人は今をときめく売れっ子作家・チヨダ・コーキ。 十年前に発生した、彼の猟奇的フ…

ぐるぐる猿と歌う鳥  (ねこ4.3匹)

加納朋子著。講談社ミステリーランド。 五年生に進級する春、森(シン)は父親の転勤で東京から北九州へ転校することになった。わんぱくで 怪我は絶えないし、物は壊すし、友だちは泣かせるしで、いじめっ子の乱暴者というレッテルを はられていた森の転校を…

ジュリエットの悲鳴  (ねこ2.7匹)

有栖川有栖著。角川文庫。 有栖川さんの、ノンシリーズ短編集です。普通のミステリと、ちょっと怖い怪奇風の短編や くすっと笑えるギャグ・ミステリ、ショート・ショートまでも網羅した12編収録の作品群。 私、有栖川さんのものでシリーズ外の短編集って初…

一週間のしごと  (ねこ3.7匹)

永嶋恵美著。東京創元社ミステリ・フロンティア。 幼馴染みの菜加には拾い癖があった。犬や猫、果てはアルマジロなど、処理に困るものばかり拾って くるのだ。いつも後始末は恭平の役目。恭平はいつも、「猪突猛進」という言葉を地でゆくかのような 菜加の言…

ススキノ、ハーフボイルド  (ねこ2.5匹)

東直己著。双葉文庫。 松井省吾は高校3年生の受験生だ。夜のススキノで働く真麻という素敵な彼女もいる。客引きの アキラさんや土建屋社長の千葉さんなど友人も増え、最近ようやくススキノが”自分の街”に なってきたところだ。ーーー夏休みに入ったばかりの…

スイス時計の謎  (ねこ3.8匹)

有栖川有栖著。講談社文庫。 本格推理小説、ただいま。 本来ブログ開設当時は一番『すべ猫』らしいジャンルの記事だったはず。しかーしこのところめっきり こういう完全本格ミステリーを読む機会が減ってしまっていた。 積読本消化キャンペーン中は、順番だ…

少女には向かない職業  (ねこ4匹)

桜庭一樹著。東京創元社ミステリ・フロンティア。 大西葵は中学二年生、十三歳。 親、友人、大人。他者とコミュニケーションを取る事に神経を常に張りつめ、遂には一年間に 二人の人を殺してしまう。同じように力を失くしたクラスメイトの静香と共に。 それ…

シンデレラ・ティース  (ねこ4匹)

坂木司著。光文社。 サキは大学二年生。歯医者が大嫌いなのに、なぜかデンタルクリニックで受付アルバイトをすることに なって……。個性豊かなクリニックのスタッフと、訪れる患者さんがそれぞれに抱えている、小さい けれど大切な秘密。都心のオフィス・ビル…

ミサイルマン  (ねこ3.7匹)

平山夢明著。光文社。 ハイロウズじゃないよ。 ってことで、平山夢明氏の、待望の新刊。表紙がカッコイイなぐらいの動機で結局購入。 読み終わった今となってはやっぱり買わなくても良かったなぐらいは思ったが、それなりに 強烈な印象が今回も続く。。 『テ…

子どもたちは夜と遊ぶ  (ねこ3.7匹)

辻村深月著。講談社ノベルス。 優しく触れようとしても壊してしまう、大人になりきれない子どもたちは、暗い恋の闇路へと 迷い込んでしまった……。同じ大学に通う仲間、浅葱と孤塚、月子と恭司。彼らを取り巻く 一方通行の片想いの歯車は、思わぬ連続殺人事件…

消える総生島  (ねこ3.7匹)

はやみねかおる著。講談社文庫。 万能財団が総力を挙げた映画ロケに招待された亜衣たち三姉妹。呪われた事件は必ず起きると 脅かして、名探偵夢水清志郎も総生島行きのクルーザーに乗り込む。撮影は快調。だが鬼伝説の 孤島に取り残された一同に忍びよる不気…

ミミズクと夜の王  (ねこ3.7匹)

紅玉いづき著。電撃文庫。 魔物のはびこる夜の森に、一人の少女が訪れる。額には「332」の焼き印、両手両足には 外されることのない鎖。自らをミミズクと名乗る少女は、美しき魔物の王にその身を差し出す。 願いはたった、一つだけ。「あたしのこと、食べ…

ワーキング・ホリデー  (ねこ4.8匹)

坂木司著。文藝春秋。 売れない元ヤン・ホスト沖田大和の働く「クラブ・ジャスミン」に、突然小学生・進が乗り込んで来た。 「はじめまして、お父さん」ーーー耳を疑う言葉に度肝を抜かれた大和だが、実は母親に心当たりが あった。進は、夏休みの間大和と同…

駆けてきた少女  (ねこ3.7匹)

東直己著。ハヤカワ文庫。 ちょっとした行き違いからガキに腹を刺されて入院した<俺>は、見舞いにきた自称「霊能力者」 こと濱谷のオバチャンの依頼で、女子高生の家庭調査を引き受けるハメに。軽い気持ちで手を付けた この一件と、自分を刺した犯人探しと…

探偵は吹雪の果てに  (ねこ3.7匹)

東直己著。ハヤカワ文庫。 ちんぴらに袋叩きにされて、<俺>は入院した。そこで偶然、病院の付添婦をしている昔の恋人と 再会。彼女からの依頼で雪の田舎町まで一通の手紙を届けることになった探偵だが、町に着くなり 身辺に不審な男たちの影がちらつき始め…