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ゆきの山荘の惨劇 -猫探偵正太郎登場-  (ねこ3.4匹)

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柴田よしき著。角川文庫。


オレの同居人、作家の桜川ひとみは、山奥の「柚木野山荘」で開かれる結婚式に招待された。そして、
無理矢理連れてこられたオレ(しかも一服盛られて!)。山荘で待っていたのは幼なじみのサスケと
美猫トマシーナとの出会い、しかしそれだけではなかった。オレは次第に怪しげな雰囲気に飲み込まれ
ていく。新郎・白石へ脅迫状が舞い込み、土砂崩れで山荘は孤立、そしてとうとう最初の犠牲者が……。
毒死、転落死、相次ぐ死は事故か殺人か?猫探偵正太郎が活躍するシリーズ第1弾。(裏表紙引用)



姉貴、お待たせ(;^^A。
とっくに読み終わってたんですが、記事をなかなか書けなくてすいませぬ。
しかししばらくブログやってないとログインの仕方にすら戸惑う体たらく。いかんね。
と、いうわけで実は内容うろ覚えですがごかんべんを。


さてさて、この「猫」が語り手であるという一風変わった本格ミステリー。
表紙の正太郎もふっくら太ってなんともベリベリキュート。
三毛猫ホームズ」も「迷犬ルパン」も読んだことのないゆきあや。その実績からわかるように、
実は動物や人形を擬人化したユーモアミステリというものはあまり好きではないのであった。。
しかし「喰わず嫌い」ってわけでもない。おいらの長年蓄積された本好きの本能でなんとなーく
敬遠しているものはやっぱりそれが当たっていたりするもんだ。
その点この作品は、正太郎、サスケ、トマシーナのあまりのキュートさに救われたと言っていい。
パソコンを起動したり(うちのあほどもだって右手(足)でベランダのドアを「ガラッ」と
開けたり出来るぞ)ひらがなが読めたり(「まぐろ」だけ^^;)。恋だってするし、
人間顔負けの推理だってお手のもの。
そして何より、「他人(猫)の気持ちを考えられる」「人(猫)の痛みがわかる」
そんな正太郎のキャラクターに、本来重苦しくやるせない事件の真の真相ですら
救われた気がするのだ。


本筋の方は、正太郎の飼い主であるひとみに好感を抱けなかったせいもあるが、それぞれの事件が
軽い方向へ持って行こうとした、、という印象が強くて意外性は感じられなかった。
キャラクターの明るさ、雰囲気の軽さだけにつられてしまうとちょっと引いてしまう感じか。

「猫好きが読むとどういう感想になるか」を気にしておられたのは姉貴だが、
とりあえず猫好きにはお薦めだがうちの子の方が可愛いとだけ自信を持って記しておこう。