三津田信三著。光文社文庫。
「ぼうず、おかえり……」１２歳の少年・棟像貢太郎は、近所の老人が呟く言葉に不吉な予感を
覚えていた。両親を事故で亡くし、祖母と越してきた東京郊外の家。初めての場所のはずなのに、
知っている気がしてならないのだ。そして、怪異が次々と彼を襲い始める。友達になった少女・
礼奈とともに探り出した、家に隠された戦慄の秘密とは？（裏表紙引用）
もう書庫を作ってもいいほどに三津田さんは数を読んで来ましたね。
今回は発売されて間もない、文庫書き下ろしホラーです。
先日アップした『スラッシャー 廃園の殺人』は個人的にパッとしませんでしたが、
こちらはなかなか良いのでは。ホラーではありますが、ミステリ的な要素もあったりするだけに
「如くシリーズ」がお気に入りの方にも向いているかも。（すまん、ジーパン探偵の名前忘れた＾＾；）
めくるめく謎の氷解や壮大さ妖艶がないだけに地味ではありますが、私はとても気に入りました。
やっぱり三津田さんは怪奇ものを描かせたら誰よりも怖い。。
キッチンで料理をしている人物の首の位置に疑問を抱くくだりなんてんもう最高でしたね。
登場人物が少ないのに最後「ま、まさか。。」というサプライズもありましたし、
なかなかに凝った構成になっていると思います。
暑いうちにいかがでしょ。
新作の２冊で迷っている方は、表紙がパッとしないこちらの方を選んだ方が当たる可能性は
高いと思うので読むべし。
