すべてが猫になる

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レタス・フライ  (ねこ3.7匹)

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森博嗣著。講談社ノベルス



GシリーズとGシリーズの間を挟んで刊行された、シリーズキャラが密かに続々登場の9編収録の
短編集です。最近もっぱら森さんのワルクチ大会のようになっている当ブログですが、ブログタイトルに
これほどふさわしいイベントもありますまい。「もうこのシリーズ読むのやだー」となる前に、
お口直しのこの1冊。おいおい、点数がウチでおなじみのランクまで上がってるよ!

はっきり言って、お仲間内ではめっきり評判のよろしくない森さんの短編集。
実はひっそりとわたくしは森さんの短編集が好きであった。。
たぶん、はなっからこの作家に多大な期待をしていないのがプラスに働いているのか、
たまには「芸術を解する自分」ぶりたいのか。
それとも、時折登場するシリーズキャラにうれしがりたいのか。いや、それはないか。


いや、普通においら面白いんですけどどうしたらいいのでしょう。
『ラジオの似合う夜』はアノ人のお話だし。
『檻とプリズム』のラストの哀愁は子供と思えないシュールさだし。
『証明可能な煙突掃除人』のラストも好きだし。珍しく、意味がわからなくない。
『皇帝の夢』はショートショートだけど、これ詩に出来そうだし。
『私を失望させて』みたいなブラックな笑いから哀しみに落とす展開は好きだし。
『麗しき黒髪に種を』これが大好き!めちゃくちゃぞっとする。
『コシジ君のこと』おいらは暗いけど人生の方向が変わっていくものは元々惹かれる。
『砂の街』これだけ何も残らなかった。
『刀之津診療所の怪』萌絵が登場する短編って面白くないのが通例なのよね。。でも、これは
怪談も面白かったし、何よりおいらの好きな○○ちゃんがこっそり登場したのが^^。



森さんの作品って、結局、「面白い気がする」って感覚で読んでる人が多いのかなあと
ふと思いました。このテンションで通常のシリーズも読めるようになれたらなあ。
短編集とか、「スカイ・クロラ」のシリーズを読んでいる時だけ、
しら菊さんが先日ご自分の記事で述べられていた事がなんとなく理解出来るんだもの。
凄い人と同じ時代を生きているぞと。

いや、でも、この本は「気がする」んでなくて本当に面白いと思って読んじゃったのよ^^;