すべてが猫になる

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2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

沈みかけの船より、愛をこめて  (ねこ4匹)

乙一、中田永一、山白朝子著。作品解説・安達寛高。朝日新聞出版。 破綻しかけた家庭の中で、親を選択することを強いられる子どもたちの受難と驚くべき結末を描いた表題作ほか、「時間跳躍機構」を用いて時間軸移動をくり返す驚愕の物語「地球に磔(はりつけ)…

心霊電流/Revival  (ねこ3.8匹)

スティーヴン・キング著。峯村利哉訳。文春文庫。 少年時代、僕の町に新任牧師がやってきた。仲良くなった僕は、彼の家のガレージで、キリスト像が「静かの湖」の上を渡る電気仕掛けの模型を見せてもらった。やがて、彼の妻と幼い子が突然の事故で無惨に死亡…

これは経費で落ちません!8 ~経理部の森若さん~  (ねこ3.7匹)

青木祐子著。集英社オレンジ文庫。 トナカイ化粧品を吸収合併した天天コーポレーションだが、経理部に増員はなかった。 おかげで沙名子たち経理部員は連日残業続き。社内も合併に伴う人事異動や業務整理で、どこかぎくしゃくしている。 社長の代替わりから反…

ビブリア古書堂の事件手帖Ⅲ ~扉子と虚ろな夢~  (ねこ3.8匹)

三上延著。メディアワークス文庫。 春の霧雨が音もなく降り注ぐ北鎌倉。古書に纏わる特別な相談を請け負うビブリアに、新たな依頼人の姿があった。 ある古書店の跡取り息子の死により遺された約千冊の蔵書。高校生になる少年が相続するはずだった形見の本を…

少年検閲官  (ねこ3.8匹)

北山猛邦著。創元推理文庫。 旅を続ける英国人少年クリスは、小さな町で家々の扉や壁に赤い十字架のような印が残されている不可解な事件に遭遇する。奇怪な首なし屍体の目撃情報も飛び交う中、クリスはミステリを検閲するために育てられた少年エノに出会うが…

人生激場  (ねこ4匹)

三浦しをん著。新潮文庫。 気鋭作家の身辺雑記、だけに終わらぬ面白さ! プレーンな日常を「非日常」に変えてしまう冴えた嗅覚。世間お騒がせの事件もサッカー選手の容貌も、なぜかシュールに読み取ってしまう、しをん的視線。「幸せになりたいとも、幸せだと…

彼女が最後に見たものは  (ねこ4匹)

まさきとしか著。小学館文庫。 クリスマスイブの夜、新宿区の空きビルの一階で女性の遺体が発見された。五十代と思われる女性の着衣は乱れ、身元は不明。警視庁捜査一課の三ツ矢秀平と戸塚警察署の田所岳斗は再びコンビを組み、捜査に当たる。 そして、女性…

とむらい家族旅行/He Started It  (ねこ3.8匹)

サマンサ・ダウニング著。唐木田みゆき訳。ハヤカワ文庫。 ずっと疎遠でいた兄妹、エディーとベス、ポーシャは、亡くなった祖父の莫大な遺産を受け取るため遺言にしたがっていっしょに旅に出ることになる。20年前に祖父が彼らを連れていったアメリカ横断ドラ…

死刑にいたる病  (ねこ4匹)

櫛木理宇著。ハヤカワ文庫。 鬱屈した日々を送る大学生、筧井雅也(かけいまさや)に届いた一通の手紙。それは稀代の連続殺人鬼・榛村大和(はいむらやまと)からのものだった。「罪は認めるが、最後の一件だけは冤罪だ。それを証明してくれないか?」地域で人気…

ただいま神様当番  (ねこ4.2匹)

青山美智子著。宝島社文庫。 ある朝目を覚ますと、腕に大きく「神様当番」という文字が!突然現れた神様のお願いを叶えないと、その文字は消えないようで…?幸せの順番待ちに疲れたOL、弟にうんざりしている小学生の女の子、リア充と思われたい男子高校生…

神様が殺してくれる  (ねこ3.9匹)

森博嗣著。幻冬舎文庫。 パリの女優殺害に端を発する連続殺人。両手を縛られ現場で拘束されていた重要参考人リオンは「神が殺した」と証言。容疑者も手がかりもないまま、ほどなくミラノで起きたピアニスト絞殺事件。またも現場にはリオンが。手がかりは彼の…

相田家のグッドバイ  (ねこ3.6匹)

森博嗣著。幻冬舎文庫。 紀彦にとって相田家はごく普通の家庭だったが、両親は変わっていた。母は整理収納に異常な情熱を傾け、孤独を愛す建築家の父はそんな母に感心していた。紀彦も結婚し子供ができる。やがて母が癌で亡くなり、看取りのあと父も自ら入っ…

喜嶋先生の静かな世界  (ねこ3.8匹)

森博嗣著。講談社文庫。 文字を読むことが不得意で、勉強が大嫌いだった僕。大学4年のとき卒論のために配属された喜嶋研究室での出会いが、僕のその後の人生を大きく変えていく。寝食を忘れるほど没頭した研究、初めての恋、珠玉の喜嶋語録の数々。学問の深…