すべてが猫になる

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2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

アルテーミスの采配  (ねこ3.7匹)

真梨幸子著。幻冬舎文庫。 出版社で働く派遣社員の倉本渚は、ある日AV女優連続不審死事件の容疑者が遺したルポ「アルテーミスの采配」を手にする。原稿は〝僕は犯人ではない。本当の黒幕は〟という告白の途中で終わっていた。好奇心のあまり調査を始める渚だ…

鬼談  (ねこ3.7匹)

京極夏彦著。角川文庫。 藩の剣術指南役・桐生家に生まれた作之進には、右腕がない。元服の夜、父は厳かに言った。「お前の腕を斬ったのは儂だ」。一方、柔らかで幸福な家庭で暮らす“私”は何故か、弟を見ていると自分の中に真っ黒な何かが涌くのを感じていた…

つぼねのカトリーヌ (ねこ3.9匹)

森博嗣著。講談社文庫。 実は、僕の研究室にいた秘書さんが、カトリーヌという渾名だった―。小耳に挟んだ日々の小事から死生観、自己紹介まで、全一〇〇個の笑えて、考えさせられて、納得する森イズム。役に立つか立たないかは読む人しだい、でも読めば確実…

ナイルパーチの女子会 (ねこ3.5匹)

柚木麻子著。文春文庫。 商社で働く志村栄利子は愛読していた主婦ブロガーの丸尾翔子と出会い意気投合。だが他人との距離感をうまくつかめない彼女をやがて翔子は拒否。執着する栄利子は悩みを相談した同僚の男と寝たことが婚約者の派遣女子・高杉真織にばれ…

魔法の色を知っているか? (ねこ3.7匹)

森博嗣著。講談社タイガ。 チベット、ナクチュ。外界から隔離された特別居住区。ハギリは「人工生体技術に関するシンポジウム」に出席するため、警護のウグイとアネバネと共にチベットを訪れ、その地では今も人間の子供が生まれていることを知る。生殖による…

噂の女 (ねこ3.7匹)

奥田英朗著。新潮文庫。 「侮ったら、それが恐ろしい女で」。高校まではごく地味。短大時代に恐るべき能力を開花させる。手練手管と肉体を使い、店員を振り出しに玉の輿婚をなしとげ、高級クラブのママにまでのし上がった、糸井美幸。彼女の道行きにはいつも…

ドリームキャッチャー/Dreamcatcher  (ねこ3.8匹)

スティーヴン・キング著。白石朗訳。新潮文庫。 “クソは変わらず日付が変わる”をモットーに、メイン州の町デリーで育った、ジョーンジー、ヘンリー、ビーヴァー、ピートの4人組。成人した今、それぞれの人生に問題を抱えながらも、毎年晩秋になると山間での…

ソラチルサクハナ  (ねこ4匹)

高里椎奈著。講談社文庫。 桜の樹の下で盗んだのは、一枚の呪いのお札だった。それ以来、掏摸を働いた桐の周囲で、気味の悪い出来事が頻発。悩んだ桐は、妖怪雑事相談所「深山木薬店改」を訪ねるのだが…。果たして、師匠も兄貴もいなくなってしまった“薬店”…

田舎の刑事の好敵手  (ねこ3.7匹)

滝田務雄著。創元推理文庫。 「たまに起きる難事件の検挙率が異様に高い。ふざけた勤務形態なのになぜ」と県警本部より首席監察官が視察に訪れた。急な来訪者に問題だらけの田舎の刑事たちは大慌て。しかし実はこの監察官、警察官としては重大な欠点があって…

スペードの3  (ねこ3.8匹)

朝井リョウ著。講談社文庫。 有名劇団のかつてのスター“つかさ様”のファンクラブ「ファミリア」を束ねる美知代。ところがある時、ファミリアの均衡を乱す者が現れる。つかさ様似の華やかな彼女は昔の同級生。なぜ。過去が呼び出され、思いがけない現実が押し…

つぼやきのテリーヌ  (ねこ3.9匹)

森博嗣著。講談社文庫。 しなければならないことは、すべて自分がしたいことだ―。思いついたことを思いついた順に綴った一〇〇個の端的エッセィからあふれ出す森イズム。斬新な発想と知的ユーモアで、人生はこんなにも豊かにできる。文庫好きを公言する小説…