すべてが猫になる

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つぼねのカトリーヌ (ねこ3.9匹)

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森博嗣著。講談社文庫。

実は、僕の研究室にいた秘書さんが、カトリーヌという渾名だった―。小耳に挟んだ日々の小事から死生観、自己紹介まで、全一〇〇個の笑えて、考えさせられて、納得する森イズム。役に立つか立たないかは読む人しだい、でも読めば確実になにかが変わる。ベストセラ連発、絶大な人気を誇る森博嗣の等身大。(裏表紙引用)

論理的でチクッと辛い、だけどスっと頭に入ってくる森さんのエッセイ「クリームシリーズ」第3弾。耳に痛い言葉もあるのに、1度ハマればやめられなくなるのが魅力。100のテーマに分かれているので飽きないのが理由かも。

「才能の差のせいにした方が、人に優しい」
「本を読んでも、自分を知ることはできない」
「ちょっとやそっとで感極まってほしくない」
など、目次だけ目を通すと「え(°°;)」となりそうな、突き放したテーマが目に付くけれど、読んでみると大抵納得できる。そのくせ「リンスをシャンプーだと思って1週間使った」みたいなお茶目なものも。天才はどんなテーマでも2ページのエッセイが書けるのだな。

一番共感したのは、モノの価値と値段の話。値段が下がるのを待って中古を手に入れても、安く手に入れたぞ、という満足感以上のものは得られないってやつ。