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噂の女 (ねこ3.7匹)

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奥田英朗著。新潮文庫

「侮ったら、それが恐ろしい女で」。高校まではごく地味。短大時代に恐るべき能力を開花させる。手練手管と肉体を使い、店員を振り出しに玉の輿婚をなしとげ、高級クラブのママにまでのし上がった、糸井美幸。彼女の道行きにはいつも黒い噂がつきまとい――。その街では毎夜、男女の愛と欲望が渦巻いていた。ダークネスと悲哀、笑いが弾ける、ノンストップ・エンタテインメント!(裏表紙引用)


噂の女「糸井美幸」を巡る人々を描いた連作短編集。

なるほど、こうやって保険金殺人というのは起きるのか。岐阜県の田舎を舞台とし、中古車販売店や麻雀荘、パチンコ屋などに出没しては金持ちのおじさんおじいさんにシナを作り手玉に取る女。ものすごく美人というわけではないのがいいんだろうね。ウソっぽくなくて騙しやすい。

まあ、お話としては奥田作品並の読ませる面白さはある。出てくる人々が普通だけどやっぱちょっと下のランクかな・・・(精神的に)ってあたりがうまいなと。考え方によっては結婚のあり方とかが古臭いかも。こんなに不自由かな?田舎だからリアルなのかな。

男に対する復讐みたいなスタンスで美幸を称賛する人物もいて、それが美幸の総合評価みたいになるのは腑に落ちないな。どんなゴミみたいなおっさん相手でも、犯罪じゃん。