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田舎の刑事の好敵手  (ねこ3.7匹)

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滝田務雄著。創元推理文庫

 

「たまに起きる難事件の検挙率が異様に高い。ふざけた勤務形態なのになぜ」と県警本部より首席監察官が視察に訪れた。急な来訪者に問題だらけの田舎の刑事たちは大慌て。しかし実はこの監察官、警察官としては重大な欠点があって……。一方、黒川刑事は劇団の事務所荒らしの捜査に駆り出されていた。単純に思えた事件は一転、謎の墜落死体事件に発展する!? 大好評ミステリ第三弾。(裏表紙引用)

 

 

滝田さんの田舎の刑事シリーズ第3弾~。

 

いつもの通り短篇集かと思っていたら長編だった。今回は黒川が夜中に自宅でハーブを煎じて救急車で運ばれたところから始まる(なんだそりゃ)。しかもただの捻挫なのに病院に居座るという。。そんな黒川の所属する所轄署に天下の首席監察官が視察に訪れるというからさあ大変。課長はもちろん黒川はさらに大慌て。だってその首席監察官の透山警視正は黒川の積年のライバルで…。

 

ギャグにも磨きがかかり、長編でも充分楽しい。透山警視正がいわゆる「名探偵病」で、事件と聞けばどこでも駆けつけたがる(しかもその推理はいい加減)キャラというのがツボにはまった。めっちゃいい友だちやんかー。さらにおバカ相棒の白石も犬とたい焼きを取り合った挙句犬に噛み付くなどの失態を見せて笑える。。実際は児童劇団員が墜落死するという大きな事件を扱っているお話なんだけども。

 

ていうか、好敵手って透山のことだと思うんだけど、これじゃ奥さんがそれだよねえ。このシリーズに嫌いな人なんていないからもうなんでもいいけど。でもやっぱ短篇がいいかな。透山がだんだん存在感なくなってきたし。面白いけどね。めちゃくちゃ面白いけどね。

 

読破したいんだけど絶版も数冊あるなあ、滝田さん。