すべてが猫になる

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2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

書楼弔堂 破曉  (ねこ3.8匹)

京極夏彦著。集英社文庫。 明治二十年代の半ば。雑木林と荒れ地ばかりの東京の外れで日々無為に過ごしていた高遠は、異様な書舗と巡りあう。本は墓のようなものだという主人が営む店の名は、書楼弔堂。古今東西の書物が集められたその店を、最後の浮世絵師月…

北天の馬たち  (ねこ2.8匹)

貫井徳郎著。角川文庫。 横浜の馬車道で探偵事務所を始めた皆藤と山南。優秀で快活な彼らに憧れを抱いた喫茶店マスターの毅志は、2人の仕事を手伝うことになった。しかし、復讐や男女を引き合わせるといった、探偵としては奇妙な依頼を受ける彼らに、毅志は…

パードレはそこにいる/Uccidi il Padre (ねこ4.4匹)

サンドローネ・ダツィエーリ著。清水由貴子訳。ハヤカワ文庫。 勇猛果敢でずば抜けた能力を持ちながらも、現在は休職中の女性捜査官、コロンバ。少年時代を誘拐犯に監禁されて過ごし、閉所恐怖症をわずらう失踪人捜索専門のコンサルタント、ダンテ。ローマで…

ST 為朝伝説殺人ファイル 警視庁科学特捜班 (ねこ3匹)

今野敏著。講談社文庫。 伊豆大島、そして奄美大島でダイビング中の死亡事故が発生。どちらの場所も源為朝伝承の地だった。そこに注目したワイドショー番組が事件を取り上げる。ところが番組スタッフからも死者が出る……。本当に事件は為朝の“呪い”によるもの…

私にふさわしいホテル  (ねこ3.8匹)

柚木麻子著。新潮文庫。 文学新人賞を受賞した加代子は、憧れの〈小説家〉になれる……はずだったが、同時受賞者は元・人気アイドル。すべての注目をかっさらわれて二年半、依頼もないのに「山の上ホテル」に自腹でカンヅメになった加代子を、大学時代の先輩・…

楽園の骨/Twenty Blue Devils (ねこ3.8匹)

アーロン・エルキンズ著。青木久惠訳。ミステリアス・プレス文庫。 親戚の死因を調べて欲しい―FBI捜査官ジョン・ロウの依頼でギデオンはタヒチへ飛んだ。ジョンの叔父の経営するコーヒー農園では最近不穏な出来事が続いており、今度は娘婿が不審な死を遂げた…

獏の檻  (ねこ3.6匹)

道尾秀介著。新潮文庫。 1年前に離婚した大槇辰男は、息子・俊也との面会の帰り、かつて故郷のO村に住んでいた曾木美禰子を駅で見かける。32年前、父に殺されたはずの女が、なぜ―。だが次の瞬間、彼女は電車に撥ねられ、命を落とす。辰男は俊也を連れてO村を…

悪魔を憐れむ  (ねこ3.9匹)

西澤保彦著。幻冬舎。 「その時間、先生が校舎の五階から跳び降り自殺しないように見張っていてほしい」。大学OBの居酒屋店主からそう頼まれた匠千暁は、現場で待機していたにもかかわらず、小岩井先生をみすみす死なせてしまう。老教師の転落死の謎を匠千暁…

本格力 本棚探偵のミステリ・ブックガイド  (ねこ4.6匹)

喜国雅彦・国樹由香著。講談社。 どのページを開いても、本格愛、本棚探偵への愛に溢れた一冊。 本書を読める幸せを享受しないなんてもったいないです。――辻村深月 本格ミステリ誕生175年目の衝撃! 日本推理作家賞受賞作家が放つ 今まで見たことのないブック…

11/22/63  (ねこ4.2匹)

スティーヴン・キング著。白石朗訳。文春文庫。 11/22/63――1963年11月22日。ケネディ暗殺の日。過去へさかのぼり、暗殺を阻止してほしい。それが死期の迫る友人の頼みだった。彼の店の奥に隠された「穴」は、1958年に通じるタイムトンネルだというのだ……壮大…