すべてが猫になる

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楽園の骨/Twenty Blue Devils (ねこ3.8匹)

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アーロン・エルキンズ著。青木久惠訳。ミステリアス・プレス文庫。

 

親戚の死因を調べて欲しい―FBI捜査官ジョン・ロウの依頼でギデオンはタヒチへ飛んだ。ジョンの叔父の経営するコーヒー農園では最近不穏な出来事が続いており、今度は娘婿が不審な死を遂げたのだ。彼の死と一連の事件には何か関係が? やがて、平穏に見えた農園の秘密が明らかに……陽光輝く南の島でスケルトン探偵が鮮やかな推理を見せるシリーズ第八弾。(裏表紙引用)

 


最高傑作(現時点)キター━(゚∀゚)━!

 

今回のスケルトン探偵はタヒチに飛んだ。FBI捜査官であるギデオンのお友だち・ジョンの依頼で、彼の叔父・ニックが経営するコーヒー農園で次々起こる事件と、マフィアに関係するとされる娘婿ブライアンの不審な事故死を調査することになったギデオン。なんと今回、ジュリーは同行しない。その分ジョンの存在感が重要。

 

まず旅情ミステリーとして(だよね?^^;)タヒチの街並みや人々、お料理を文章で堪能しつつ(でもトカゲと一緒に寝たくはないぞ)。一応仕事で呼ばれたギデオン、着くなりニックに「やっぱり遺体は掘り返さないことにした」と言われやることがない…。絶対に殺人だと信じて疑わないジョンは怒り心頭、勝手に死体検案書をコピーしたり墓を掘り返したりとやりたい放題。結果良かったけど大変なことだよね。。。

 

今回の事件の真相はよーく考え抜かれていて、骨に刺さっていたあるものに驚かされるし、被害者の正体とそれを隠していた経緯はナルホド感凄いし、農園に隠されていた秘密とその動機や事後に起きた殺人事件との結びつきも見事。ギデオンの「ひび」の性質の話も興味深かった。物語的にはジョンに主役の座を奪われたか?とも思うが、事件解決に大活躍のギデオン、今回は犯人に命を狙われることもなく。なんだ、ジュリーが居なくても出来るんじゃん?と思わせておいてチャッカリ電話でアドバイスを受けているという安定感もいい。今後もこのレベルが欲しいな。