すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

殺人犯 対 殺人鬼  (ねこ4.2匹)

早坂吝著。光文社文庫。 ここは孤島にある児童養護施設。嵐で船が出せず職員が戻れなくなっている。島には子供だけ。この好機に僕、網走一人は彼女を自殺未遂に追い込んだ奴等の殺人計画を実行することにした。まずは剛竜寺だ。――何故もう殺されている? 抉ら…

少し変わった子あります  (ねこ3.7匹)

森博嗣著。文春文庫。 失踪した後輩が通っていたお店は、毎回訪れるたびに場所がかわり、違った女性が相伴してくれる、いっぷう変わったレストラン。都会の片隅で心地よい孤独に浸りながら、そこで出会った“少し変わった子”に私は惹かれていくのだが…。人気…

秘密/The Secret Keeper  (ねこ4.2匹)

ケイト・モートン著。青木純子訳。創元推理文庫。 1961年、少女ローレルは恐ろしい事件を目撃する。突然現われた見知らぬ男を母が刺殺したのだ。死亡した男は近隣に出没していた不審者だったため、母の正当防衛が認められた。男が母に「やあ、ドロシー、久し…

第2図書係補佐  (ねこ4匹)

又吉直樹著。幻冬舎よしもと文庫。 僕の役割は本の解説や批評ではありません。自分の生活の傍らに常に本という存在があることを書こうと思いました。(まえがきより)。 お笑い界きっての本読みピース又吉が尾崎放哉、太宰治、江戸川乱歩などの作品紹介を通…

ドアを開けたら  (ねこ3.7匹)

大崎梢著。祥伝社文庫。 鶴川佑作は動揺を隠せなかった。引っ越しの準備をする佑作がマンションの同じ階に暮らす串本を訪ねると、彼はこと切れていたのだ。来客対応中だったらしい。老齢ながら彼は友人だった。通報もせず逃げ出す佑作。だが、その様子を高校…

アロワナを愛した容疑者  (ねこ3.8匹)

大倉崇裕著。講談社文庫。 有力政治家の三男が殺害された。現場で飼われていたアロワナは、十年前にシンガポールの実業家のもとから盗まれた個体だと判明。窓際警部補・須藤友三、生き物オタクの巡査・薄圭子のコンビは、密輸ブローカーに焦点を絞り調査を開…

アリスが語らないことは/All the Beautiful Lies  (ねこ4匹)

ピーター・スワンソン著。務台夏子訳。創元推理文庫。 大学生のハリーは、父が崖から転落して死んだと知らされる。実家に戻ると、美しい継母アリスが待っていた。刑事の話では、父の死体には殴打の痕があった。ハリーはアリスと話し合うが、その態度に違和感…

ネオカル日和  (ねこ3.7匹)

辻村深月著。講談社文庫。 小学生の頃、図書室で出会った本の記憶。夏休み、訪れた田舎で出会った古い土蔵。放課後、友達と買い食いした駄菓子屋。すべてはこの世の物語を紡ぐために。日本の新文化を徹底取材したルポを中心に著者が本当に好きな物だけを詰め…

アンチ整理術  (ねこ4匹)

森博嗣著。講談社文庫。 整理・整頓は何故必要なのか? 大学の研究室、芸術家のアトリエ、漫画家の作業場……。 素晴らしい作品が生まれているのは凄まじい散らかりようのなかだ。 物理的な整理ではなく、自分自身の内側と「環境」を整理・整頓してみよう。 人…

ある女の証明  (ねこ3.8匹)

まさきとしか著。幻冬舎文庫。 主婦の小浜芳美は、新宿でかつての同級生、一柳貴和子に再会する。中学時代、憧れの男子を奪われた芳美だったが、今は不幸そうな彼女を前に自分の勝利を嚙み締めずにはいられない。しかし――。二十年後、ふと盗み見た夫の携帯に…