すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

ある女の証明  (ねこ3.8匹)

まさきとしか著。幻冬舎文庫

主婦の小浜芳美は、新宿でかつての同級生、一柳貴和子に再会する。中学時代、憧れの男子を奪われた芳美だったが、今は不幸そうな彼女を前に自分の勝利を嚙み締めずにはいられない。しかし――。二十年後、ふと盗み見た夫の携帯に貴和子の写真が……。「全部私にちょうだいよ」。あの頃、そう言った女の顔が蘇り、芳美は恐怖と怒りに震える。(裏表紙引用)
 
まさきさん3冊目。すっかりハマってしまった。
 
今作もイヤミス全開。貴和子に関わった人間はみんな不幸になる?ってことでいいのかな。最初は78歳の老人と婚約する多恵というワケあり女性が登場して、これが貴和子なのかな、人生の節目節目で誰かから大事な誰かを奪ってそれを続けているのかな?と想像していたのだけど…なんだかそういうことでもなさそう。貴和子の視点が出て来ないのと、時系列を逆に進めていく構成なので組み立て方がよく分からない。悪女、というわけでもなく、誰かが勝手に貴和子に嫉妬したり惚れたりして破滅していく。特に貴和子が何かをした、という感じではないので逆に恐ろしい。虐待されて育った貴和子が、何でも持っている人間に近づいたり影響を与えたのは間違いないのだろうけど。1人の女の人生を辿っていくとともに、謎を残したまま物語が終わる。作風が真梨さんソックリで、こんがらがって分からなくなってしまった。ほとんどの人が理解できなかったようで、私もなんとかまとめてくれた人のネタバレ考察を読みにいく始末。これ、分かってもまだなんだかよく分からないな。面白かったからまあいいか。