すべてが猫になる

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陽気なギャングが地球を回す  (ねこ3.8匹)

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伊坂幸太郎著。祥伝社ノベルス。


他人の嘘を見破るリーダー、体内時計人間、スリ名人、演説の達人ーーー表の顔は普通の社会人、その裏の顔は銀行を襲撃するギャングだった。銀行強盗にスマートさとロマンを求めて、シンプルな手口で犯行を成功させてゆく。しかし、4千万円を見事強奪した彼らが逃走中に同じ銀行強盗と接触事故を起こし、死体やら虐めやら自閉症やら色々な騒動に発展して…というお話。


22.2.20再読書き直し。

 

(初読の感想で、「犯罪者をコミカルに描いたものは好みでない」というようなことを書いたしそう思っていたことも覚えている。根本的な好みは変わっていないのだが、それだけの理由で一刀両断するような性質は今は持っていない。)

 

人間嘘発見器の成瀬、演説が得意な響野、人間体内時計雪子、スリの名人久遠。懐かしい面々との再会だ。いやごめん、実はほとんど覚えていなかった。体感としてはほぼ初対面。。銀行強盗4人組が、逃亡中に現金輸送強盗に追突され車も4千万も奪われてしまう。さらに雪子の息子・慎一のイジメ騒動や現金輸送強盗犯の死体発見が加わって、テンポよくスリルのいい、明るい銀行強盗ストーリー。拳銃はバンバン撃つし暴力と切っても切れない内容だが、伊坂作品らしくフラッシュの焚かないカメラや偽警官などのおおよそ内容とは関係なさそうな事柄が最後には綺麗に繋がるのが小気味いい。映画向けだろうなあ。