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試験に出るパズル ー千葉千波の事件日記 <四月~八月>ー (ねこ4匹)

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高田崇史著。講談社文庫。

千葉千波シリーズ第1弾。5編収録プラス<追伸簿>付きの短編集。

本名不詳、「八丁堀」ことぴいくん(浪人生)と、従兄弟の高校生、「背がスラリ・前髪サラリ・
髪をかきあげてパサリ」の頭脳明晰眉目秀麗、千葉千波と、ぴいくんの友人でがたいのいい
慎之介の3人組。彼らが集まるところにパズルあり。ついでのように事件もあり。
とことんパズルにこだわった楽しい傑作短編集。


パズルものって、苦手なんですよ。
元々が私の脳みそに「論理的」という機能がついていないので、当然のように数学も大の苦手。
試験なんて、小数点が付いただけで頭が混乱し、なんとか方程式と聞いただけで
みそから湯気が出る。そんな自分がタイトルに「パズル」「試験」なんて名前のついた
本を手に取った、それだけで結構な冒険なわけです。

キャラがいい。凄くいい。ぴいくんはまるで薬屋探偵のリベザルのように母性本能を
くすぐってくれるし、千波君は読んでいて「誰かに似てるな。。」と思ったらかの私の心の王子、
タックである。(名前が女性的という点だけかもしれないが)気に入らないでか。
ついでのようだが慎之介も決して嫌いなタイプではない。(似たキャラが浮かばなかった)

パズル一本で構成されたものかと思っていたら一応添え物のようではあるが
事件も発生する。パズルと事件に関連性があったりして物語として無理はない。
ただ、それでもやっぱりメインはパズルの方。
このパズルに興味が湧かなければ辛いのではないかとも思うが、ナニを隠そう、
私がそうだった。
言っておくが、このパズル全て絶対難しいぞ。考えようとも思わなかった。最低だ。
理系の方ならどうなのかわからないが、私に至っては問題によっては解答を見てもわからないという
体たらく。さらにはわからなくても楽しいからいいやー、あははー、という
人としてちょっと欠陥のある態度である。

個人的には、最後の「夏休み、または避暑地の怪」が非常に面白かった。
パズルは苦手だとか言ったが、こういう「クレタ島の住人が系」の「嘘つきは誰」を考えるのは
好きな方だ。3人の坊主のそれはもう生意気なこと(笑)シャッフルシャッフル~♪♪

ところで、本名を明かさないままだった「ぴいくん」。彼の本名を、数人の読者が
当ててしまったというのに驚いた。どこにどんな伏線があったというのか?
カレーのお話でヒントっぽい一文があったが、当てるのは名前だぞ?国籍とかあだ名とか
性別とか居住地を当てるんじゃないぞ?これだけの情報で、どうやって固有名詞を
見事当てろっていうんだ??漢字も当てるのか?
しかし、高田さんは本名をちゃんと用意していたという事で、シリーズ最終で明らかとなるので
しょうか?ならない気もしますが。そして、このシリーズは完結しているのでしょうか。
ご存知の方、情報をお願いします^^