すべてが猫になる

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呪われた町/'Salem's Lot  (ねこ3.8匹)

スティーヴン・キング著。永井淳訳。集英社文庫

幼い頃を過ごした町に舞い戻った作家ベン。町を見下ろす丘の上に建つ廃墟同然の館は昔と同様、不気味な影を投げかけていた。少年の失踪事件、続発する不可解な死、遺体の紛失事件。田舎の平穏な町に何が起きているのか?ベンたちは謎の解明に果敢に挑むのだが…。「永遠の不死」を体現する吸血鬼の悪の力に蝕まれ崩壊していく町を迫真のリアリティで描いた恐怖小説。(上巻裏表紙引用)
 
再読。キング再読祭り、まだ挫折しておりませぬ。発行順に読む予定なのだけど、5作目か6作目がいきなり「ザ・スタンド」なんだよね~~~~~~~(ぶあつ5分冊)そのころブログから消えるかもしれない(自分が5冊一気読みするとは思えんが)。。これぐらいしないと「ダーク・タワー」完走は出来ないだろうと思っての企画なのだが。
 
そしてこの2作目、懐かしのセイラムズ・ロット。初期は記事にしていないので、毎回原題こうなんだ、と新発見が。そして現在は3社から出ていることが判明。私が持っているのはコレなんだけども、できれば文春文庫で読みたかったなあ。まあコレも読みやすいけど。
 
本題。
キングの吸血鬼モノホラーということで。実は初読時、全然頭に入らなくて字だけを追って読了としていたので全く内容を覚えていないのである。こうして再読してみると、そこまで言うほどつまらなくもなかったのだが。もちろん面白いのだけど、挟まれてる「キャリー」「シャイニング」(あ、予告してしまった)に比べたら落ちるのは否めないかな。不気味で暗い過去を持つ田舎町に怪しい家具屋経営者が越してきて、それ以来人々が姿を消す、あら首に噛み跡が、、これは吸血鬼では、生き残った皆で家具屋を倒すぞオー。という簡単に書けちゃうあらすじで、はっきり言ってこれ以上のものはない。たださすがキング、町の様子や歴史、住民の書き込みが凄い。登場人物欄には主要な9人しか載っていないのだけど、ほんとに沢山の人が出てくるので20人くらいは書いといて欲しかったな~。登場人物欄に人名がズラっと並んであるの嫌いだけど、少なかったらそれはそれで困るという。
 
吸血鬼になった人々が崩れていく様は怖いし不穏な雰囲気やセイラムズ・ロットにどういう人々がどういうふうに暮らしているのかが濃密に描かれていて、吸血鬼との対決も手に汗握る感じだしなかなかの良作かな。ちょっとチープで軽い感じはするけども。まあ初期ということで。