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行方不明者  (ねこ3.6匹)

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折原一著。文春文庫。

埼玉県蓮田市、黒沼の畔に建つ二つの名家で起きた一家惨殺事件と失踪事件。ライターの五十嵐みどりは取材を通じて四人家族の闇を浮き彫りにしていく。一方、戸田市では謎の連続通り魔事件が発生。売れない推理作家の「僕」は、小説の取材にと容疑者の尾行を開始する。二つの事件が交錯する驚愕のサスペンス。(裏表紙引用)
 
20.7.31投稿。
 
埼玉県蓮田市で起きた一家四人失踪事件と一家惨殺事件。家族構成、名前のよく似た二つの家族。ライターの五十嵐みどりは滝沢家の失踪事件を調べ始める。やがて滝沢家の失踪事件と吉沢家の惨殺事件の関連が見えはじめ…。そして作家の男は痴漢に間違えられたことから、相手のストーカーと化した。やがて相手が連続通り魔事件の犯人であると確信する。
 
視点が最初は二つなのでまあ読みやすい。折原作品のことだから、名前が出てこない語り手や事件の描写は読者が思っている人物ではない、というパターンを覚悟しつつ読むも結局分からない。。まあそこだけは作風として分かっているので、真相が分かっても驚いたりはしなくなった。いいのか悪いのか。
 
しかし今回は、ちょっと行ってはいけない領域に足を踏み入れてしまったような。ここまでやると一気にファンタジーっぽくなってしまうのよね。折原作品の登場人物はどこか浮世離れしているけれど、無茶しすぎたかな。ややこしさは中レベルだったと思うけれど。ストーカーの男の異常性なんかは面白かった。