すべてが猫になる

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プラスマイナスゼロ  (ねこ3.7匹)

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若竹七海著。ポプラ文庫ピュアフル。

 

ある時、センコーがアタシらを見てこう言った―「プラスとマイナスとゼロが歩いてら」。不運に愛される美しいお嬢様・テンコ、義理人情に厚い不良娘のユーリ、“歩く全国平均値”の異名をもつミサキの、超凸凹女子高生トリオが、毎度厄介な事件に巻き込まれ、海辺にあるおだやかな町・葉崎をかき乱す!学園内外で起こる物騒な事件と、三人娘の奇妙な友情をユーモアたっぷりに描いた、学園青春ミステリ。(裏表紙引用)

 

 

ポプラ文庫だが一応葉崎シリーズの第5弾。繋がってはいないので(リンクはあるがお遊び程度)単独で読んでも問題なし。

 

成績・運動能力・容姿・サイズ全てが全国平均値のミサキ、成績最低品行下劣のユーリ、成績優秀品行方正のお嬢様テンコ。三人で「プラスマイナスゼロ」の異名を取るデコボコトリオが織り成す学園ドラマ。昔、なかよしに「まる・ばつ・さんかく」って漫画があったよ。設定がまるきり同じ。

 

構成は連作短編になっていて、それぞれのお話でひき逃げ死体の幽霊にテンコが取りつかれたり、海の家のつぶれたフランス料理屋のオーナーの女がらみでまたまた事件に巻き込まれたり、停学中の不良男子をめぐってちょっとした障害事件が起きたりとてんやわんや。しかし罪はないかもしれないが人殺してますけど・・・(;^ω^)。面白いがドン引き。

 

そして後半にあるトリオの出会いや卒業旅行など、友情を描いた作品がこれまた染みる。性格バラバラだけど、実はよく似てるんじゃないかと思ってしまった。おかしいことをおかしいと言えるところとか。わたくしのお気に入りは、お嬢様なのに廃屋の庭で野○ソをしようとするテンコ。先日読んだ「みんなのふこう」のココロちゃんとちょっとかぶる。災難にしか遭わない悲運さがいい味出してるな~。ユーリの天然ボケっぷりも憎めないし、ミサキも単なるいい子ちゃんじゃないしね。軽く読めるがピリっと利くところは利いているしなかなかの良作じゃないかしら。