異様な手口で惨殺された二人の女。カミーユ・ヴェルーヴェン警部は部下たちと捜査を開始するが、やがて第二の事件が発生。カミーユは事件の恐るべき共通点を発見する……。『その女アレックス』の著者が放つミステリ賞4冠に輝く衝撃作。あまりに悪意に満ちた犯罪計画――あなたも犯人の悪意から逃れられない。(裏表紙引用)
カミーユ警部の特徴はその145cmの低身長にあり、その個性は彼の優れた資質を引き立てていると感じる。(と、言っても私とたいして身長変わらないんだがな^^;)同僚や部下、上司もカミーユの能力を認めていて、うまくやっている感じ。ここで極端に反発する層が居ても面白かったかも?そして最愛の妻、イレーヌは妊娠中。
今回発生した事件は、本当に書くのも怖気が立つほど残酷なもの。女性を惨殺するその手口がもう、今まで読んできたどんな本よりも醜悪でおぞましかった。サイコ系の犯人=インテリのイメージがあるのだが、この犯人もカミーユに手紙を送ったり遺体を「作品」と呼んだりと自己顕示欲が強い。カミーユ班の地道な聞き込みと推理で、犯人像は固まりゆくのだが……。ちょっと意外な犯人だったかも。よく考えたらこいつほどピッタリな人物いなかったかもね。とりあえず死んで下さい。
読む順番としてはこれを最初にするのが正解なのだろうけど。個人的には、「その女アレックス」から読んで欲しい。なぜならこれを最初に読んで、「早く他のが読みたい!」って思う読者がそれほどいるとは思えないんだ。グロいし、救いがないし、面白さの点でも「アレックス」の方が断然上。ただ、「アレックス」を先に読んだ人は本書の結末を知った上で読むことになる。犯人はわからないけどね。