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迷走パズル/A Puzzle for Fools (ねこ3.7匹)

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アルコール依存症の治療もそろそろ終盤という頃、妙な声を聞いて恐慌をきたしたピーター。だが幻聴ではなく療養所内で続いている変事の一端とわかった。所長は言う―ここの評判にも関わる、患者同士なら話しやすいだろうから退院に向けたリハビリを兼ねて様子を探ってもらいたい。かくして所長肝煎りのアマチュア探偵誕生となったが…。パズルシリーズ第一作、初の書籍化。(裏表紙引用)

 

 

 

精神病院を舞台にしたミステリー。主人公もアルコール依存症で入院中、登場人物はほぼ患者と医師、看護師、その中で起きる殺人事件ということで、なかなか奇抜だな。もともとは「癲狂院殺人事件」と言うタイトルだったらしい。こわいよ。。。探偵役が入院患者というのも大丈夫か?と心配させられる。このピーター・ダルースはこの1作だけではそれほど好人物ってわけでもないかなー。まともと言えばまともだし、ロマンティストではあるけども。ていうか他の人物が個性的すぎるからか。

 

「声が聞こえる」ほうの真相にはこれだけヒントがあってよく気付けなかったもんだと悔しく思えたが、拘束衣のトリックについてはどうだかな。ミステリーのタブーを使っちゃってるような。殺された姿なども、図がないとなんだかイメージ出来なかったなー。そもそも、こんな解決あり?もっと頑張れよ探偵君^^;

 

とは言え、作風自体は正統派寄りだし気に入ったかな。まあ、創元の黄色いやつを好んで読むような人(わたし)なら大抵気に入るんじゃないかしら。ただ、この1作目は「シリーズの導入として読んでおいたほうがいい」レベルのものらしい。次の「俳優パズル」が名作なんだとか。ところで、精神病院が舞台なのは今回だけ?