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四畳半王国見聞録  (ねこ4.3匹)

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「ついに証明した!俺にはやはり恋人がいた!」。二年間の悪戦苦闘の末、数学氏はそう叫んだ。果たして、運命の女性の実在を数式で導き出るのか(「大日本凡人會」)。水玉ブリーフの男、モザイク先輩、凹氏、マンドリン辻説法、見渡すかぎり阿呆ばっかり。そして、クリスマスイブ、鴨川で奇跡が起きる―。森見登美彦の真骨頂、京都を舞台に描く、笑いと妄想の連作短編集。 (裏表紙引用)

 


モリミーの四畳半シリーズ(?)第二弾。今回もネタ満載でとってもとってもとっても面白くバカバカしい。嬉しくて涙が出てくる。数学氏は自分に恋人がいることを数式で証明しようとするし、三浦さんはベランダから紫地に水玉ブリーフ一丁の男を目撃してしまうし、凹氏の周りの畳は凹むし。キャラクターの言葉を借りればまさしく「見渡す限り阿呆ばっかり」なのだが、阿呆神だの大日本凡人會だのますます阿呆に磨きがかかっているような。作者が好き勝手に楽しいことを描きたいように描いているので、正直よくわからない域まで到達している。わかりやすいネタはブリーフとマンドリン辻説法、桃色映像のモザイクあれやこれやだろうか。本当にくだらない。若い男の夢とロマンたっぷりの、情けないけれどどこか愛おしい、青春四畳半物語なのだ。

 

四畳半神話大系」はもちろん、「夜は短し歩けよ乙女」ぐらいは先に読んでおかないと絶対置いていかれると思うのでご注意。