太めと痩せのカップルの、出会いと再生の物語「ローレル・アンド・ハーディ恋愛騒動」、天国まで自慢のワインを持って行こうとする呑んべえ領主に抗して村人たちが考えた作戦が意表をつく「ご領主に乾杯、別れに乾杯!」など、23編のジンワリいい話を集めた待望の短編集。ちぐはぐな会話としんみりした読後感が楽しい表題作は、今は亡き両親をレストランに招待した男の話。(裏表紙引用)
ブラッドベリ3冊目。不思議で、幻想的で、怖くて、切なくて、ちょっと笑えてという感じのものが多かった。え、「ジンワリいい話」ってどれだろう?^^;そんなことも踏まえながら、気に入った作品を抜き出してご紹介。どれも設定が変わっていてどこに向かっていくかわからないものばかりなので、感想というより興味を持ってもらいやすいような書き方を^^。
「トインビー・コンベクター」
原書の表題作かな。SFね。タイム・トラベラーの130歳の男が初めて取材に応じた日。報道記者の男だけが知った、百年前のタイム・トラベルの真相とは。男の告白に呆然。。最後まで少年のようだったなあ。
原書の表題作かな。SFね。タイム・トラベラーの130歳の男が初めて取材に応じた日。報道記者の男だけが知った、百年前のタイム・トラベルの真相とは。男の告白に呆然。。最後まで少年のようだったなあ。
「トラップドア」
ホラーですな。古家に住んで10年目。ふとしたことから、住人の女性は屋根裏部屋の存在に気付いた。。ひえええ。駆除の男が消えてからがめっちゃ怖い。
ホラーですな。古家に住んで10年目。ふとしたことから、住人の女性は屋根裏部屋の存在に気付いた。。ひえええ。駆除の男が消えてからがめっちゃ怖い。
「オリエント急行、北へ」
これこそ「なんのこっちゃ」的な。オリエント急行に乗っていた看護師の女性が出会った不思議な男。彼が罹っている病気は「人びと」という名前らしい。ほっておけばすぐ溶けてしまうこの男の良き理解者となった彼女は。。おっかしな話なんだけど、ドタバタ感にやられてしまった。
これこそ「なんのこっちゃ」的な。オリエント急行に乗っていた看護師の女性が出会った不思議な男。彼が罹っている病気は「人びと」という名前らしい。ほっておけばすぐ溶けてしまうこの男の良き理解者となった彼女は。。おっかしな話なんだけど、ドタバタ感にやられてしまった。
「十月の西」
バンパイア一族のお話。これもコメディかな。体から抜け出して遊んでいた4人のいとこたち。その間に身体があった納屋が火事になり。。。お爺さんの身体に乗り移ってしまうのね。爺さん、過去のプライバシーだだ漏れ(笑)。
バンパイア一族のお話。これもコメディかな。体から抜け出して遊んでいた4人のいとこたち。その間に身体があった納屋が火事になり。。。お爺さんの身体に乗り移ってしまうのね。爺さん、過去のプライバシーだだ漏れ(笑)。
「二人がここにいる不思議」
ホラー。レストランに両親を招待した息子。彼らは息子に今さらの衝撃の言葉を投げかける。死んでるんだな、というのは雰囲気でわかるね。フォローぐらいしてよ父さん^^;
ホラー。レストランに両親を招待した息子。彼らは息子に今さらの衝撃の言葉を投げかける。死んでるんだな、というのは雰囲気でわかるね。フォローぐらいしてよ父さん^^;
「さよなら、ラファイエット」
戦争の記憶が何年経っても消えない老人と、話に付き合う近所の小説家。当時の殺人や洗脳の記憶にとりつかれた姿がなんとも痛々しい。悲しい物語だけれど、最後に希望を見せてくれるような作品。
戦争の記憶が何年経っても消えない老人と、話に付き合う近所の小説家。当時の殺人や洗脳の記憶にとりつかれた姿がなんとも痛々しい。悲しい物語だけれど、最後に希望を見せてくれるような作品。
「バンシー」
このお話はちょっとツボに入った。書評を気にする小説家と、それを知っていておちょくる映画監督のやりとり。そして「バンシー」という家の外の幽霊話が絡む。二つのおいしいネタが詰まっていて贅沢な一品。
このお話はちょっとツボに入った。書評を気にする小説家と、それを知っていておちょくる映画監督のやりとり。そして「バンシー」という家の外の幽霊話が絡む。二つのおいしいネタが詰まっていて贅沢な一品。
「プロミセズ、プロミセズ」
不倫の別れ話をこういうテイストで味わえるとはねえ。自分より娘の命を取った男に激昂する女。でも結局は誰もこの先きっと不幸にならない、そんな未来を感じさせる作品。
不倫の別れ話をこういうテイストで味わえるとはねえ。自分より娘の命を取った男に激昂する女。でも結局は誰もこの先きっと不幸にならない、そんな未来を感じさせる作品。
「ご領主に乾杯、別れに乾杯!」
亡くなった領主の遺言は、墓まで貴重なワインを持っていくというものだった。町の酒好きの人々はこの遺言にパニックになるが、ある男が名案を出し。。。うわははは!屁理屈だなあ(笑)。でもなんか愉快だし、確かに間違っていない、座布団一枚^^
亡くなった領主の遺言は、墓まで貴重なワインを持っていくというものだった。町の酒好きの人々はこの遺言にパニックになるが、ある男が名案を出し。。。うわははは!屁理屈だなあ(笑)。でもなんか愉快だし、確かに間違っていない、座布団一枚^^
「ゆるしの夜」
これもホラーかな。幻想文学かな。イヴの夜に懺悔に来た男と神父のお話。短いし、今までの作品に比べたらどってことないお話だけど好き。
これもホラーかな。幻想文学かな。イヴの夜に懺悔に来た男と神父のお話。短いし、今までの作品に比べたらどってことないお話だけど好き。
「号令に合わせて」
いつでもどこでも号令をかけ息子を指導していた軍曹。その息子が大人になってから当時を振り返るお話。もう居ない人の真の姿というか、別の人の角度から見た人物像というのが面白いなと思った。
いつでもどこでも号令をかけ息子を指導していた軍曹。その息子が大人になってから当時を振り返るお話。もう居ない人の真の姿というか、別の人の角度から見た人物像というのが面白いなと思った。
「気長な分割」
離婚が決まった読書家夫婦が、どちらがどの本を持っていくかで延々揉めているという^^;結局は現実逃避ではあるのだけどね。本好き同士がこんなに気が合わないってなんかヤだな~とか(笑)。
離婚が決まった読書家夫婦が、どちらがどの本を持っていくかで延々揉めているという^^;結局は現実逃避ではあるのだけどね。本好き同士がこんなに気が合わないってなんかヤだな~とか(笑)。
「コンスタンスとご一緒に」
聞き覚えのない名前が添えられた招待状にキレる男と妻の話。存在しない、記憶にないはずの女性が現実に現れ。。。って、だから誰だ?^^;なんか言葉のノリはいいけど呪いの一文みたいでキマッてるねえ。。
聞き覚えのない名前が添えられた招待状にキレる男と妻の話。存在しない、記憶にないはずの女性が現実に現れ。。。って、だから誰だ?^^;なんか言葉のノリはいいけど呪いの一文みたいでキマッてるねえ。。
「墓石」
貸間の一室になぜかどーんと鎮座ましましている墓石(笑)。なんだこりゃ(笑)。事情を聞けばああなるほど、って感じではあるけど、ホワイトの綴りが違うとか(笑)。。
貸間の一室になぜかどーんと鎮座ましましている墓石(笑)。なんだこりゃ(笑)。事情を聞けばああなるほど、って感じではあるけど、ホワイトの綴りが違うとか(笑)。。
「階段をのぼって」
「トラップドア」と似たテイストのホラーで、まあ幽霊にも色んなのが居るんだな、と^^;少年のころ住んでいた家で起きた怪異が、大人になってこういう分かり方をするとは。。
「トラップドア」と似たテイストのホラーで、まあ幽霊にも色んなのが居るんだな、と^^;少年のころ住んでいた家で起きた怪異が、大人になってこういう分かり方をするとは。。