すべてが猫になる

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爛れた闇の帝国  (ねこ3.8匹)

飴村行著。角川書店

高校2年生の正矢は生きる気力を失っていた。先輩でもあり不良の崎山が、23歳も年の離れた正矢の母親と付き合い出し、入り浸るようになったのだ。学校も退学し、昼間からぶらぶらと過ごす正矢に、小学生の頃から親友同士の晃一と絵美子は心配して励ましてくる。一方、独房に監禁された男が目を覚ました。一切の記憶を失い、自分が何者であるかもわからない。どうやら自分は大東亜戦争まっただ中の東南アジアで「大罪」を犯してしまったらしい。少しずつ記憶を取り戻す男だが、定期的に現れる謎の男によって拷問が始まった…。やがて、絶望の淵にいる正矢と男は、互いの夢の中に現れるようになった。しかし、二人の過去には恐るべき謎が隠されていた!日本推理作家協会賞受賞『粘膜蜥蜴』から1年半…満を持して放つ、驚愕のエンタテインメント。 (あらすじ引用)



粘膜シリーズでブレイクした飴村さんの新刊。
なかなかの評判のようだったので楽しみにしていたのじゃが。。。


おぇ~~~~~
ぐぇ~~~~~


・・・で感想終わりっ!ってカンジで(;^^A。

現代の章と、軍人の章の二重構成になっていて、最後にそれらが繋がるという体裁。このへんは粘膜ものよりも読みやすくスッキリまとまった印象。伏線も張られていて、ドロドロな真相も明らかとなって、確かにミステリとして評価できる作品かなあ。

がしかし、読み物としてグロテスクすぎてそっちに意識奪われちゃった感が。今のところ女性読者だけにその傾向が顕著のようだけど。軍人の章の脚切り拷問とか、まるで「ソウ3」みたいでフンギャー^^;
まあホラー観るからそれぐらい平気っちゃ平気なんだけど、それよりも現代の章の方が精神的に辛かった。よくここまで底辺を描けるなあ、ってくらい。楽しんで描いてそうなのがこれまたツライ^^;母親が高校生の自分と歳の変わらない男と毎日毎日家でアレして・・・って、しかもその男がとんでもない暴力男&冷淡男で・・・しかも主人公の少年はなっさけなくって^^;周りの大人も一体どないなっとんねん。

まあ、こう思わせるのが目的の小説なのでアリはアリ。オチもうまいと思う。でも、こっちの方向にはあまり行って欲しくないなあ。粘膜みたいなカルト作家で居て欲しい。出来はいいけどわかりやすすぎて、この多くの人に受け入れられそう感が、、なんか狙ってるのかなって感じで寂しい。