すべてが猫になる

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逃げるアヒル/A Running Duck  (ねこ3.6匹)

ポーラ・ゴズリング著。ハヤカワ文庫。

美貌のOLクレアは、ある日何者かに狙撃された。幸いにも軽傷ですんだが、彼女にはまったく犯人の心当たりがなかった。が、やがて、おぼろげな記憶の中から浮かび上がった一人の男は、警察が血眼で追っている名うての殺し屋だったのだ!護衛についた元狙撃兵の刑事とともに逃避行に出たクレアに、暗殺者の執拗な銃口が迫る!熾烈な追撃戦をスリリングに描き英国推理作家協会賞新人賞を受賞した女流の傑作サスペンス。(裏表紙引用)


スタローン主演映画「コブラ」の原作だそうな。漫画のコブラとは違うの?

ということで、初めて読んだ作家さん。
結構硬派系の刑事ものなのかと予想していたら、ああ、女流だなとすぐにわかる桃色展開。警部補と恋に落ちます^^;そして二人の甘い生活にかなりの描写を割いております。。いや、別にいいんだけど、これじゃクレアの身代わりになった元カレ可哀想すぎないか^^;

それはいいとして、サスペンスものとしては「助かったと思ったら。。」の繰り返しでなかなかに読ませる。加えて、警部補の過去のトラウマや病気やらがあとからあとから厄介ごととしてクレアを悩ませ、事件の進展を妨げる。このあたりは自分が読んできたミステリ作品とは違う感触なんだな。だからどういう
風に物語が動いてそして終わるのか興味深い。文章もなめらかだし、クレアやマンチェック、殺し屋エジソンの人柄ははっきり打ち出されているし、頭の中で配役を考えるのも楽しいかも。私のイメージではスタローンは絶対に違うと思ったんだが^^;

(344P/読書所要時間3:00)